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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

春の植生調査

2013年05月17日
神戸
ここ最近、暑かったり寒かったりしましたね。季節の変わり目はとうに過ぎたと思っておりましたが、油断した私は風邪を引きました。今も事務所の職員一同に申し訳ないと思いつつ常にビービー鼻をかみながらこの日記を書いております。皆様は健やかにお過ごしでしょうか、神戸自然保護官事務所の多賀です。

ところで皆様は覚えておいででしょうか、5ヶ月ほど前に私が山へシバ刈りに行ったことを・・・減少を辿るススキ草原を再生させるために「東お多福山草原保全・再生研究会」の方々と一緒にばっさばっさとネザサ刈り(私は刈られたササをひたすら運ぶ人でしたが)を行っていたあの日の日記を・・・。

その後、3月に一度現場を訪れたた際はまだまだこのようにサッパリ寂しい雰囲気だったのですが、2ヶ月後の5月にはこんなにも青々と!




実際に現場を訪れたときもなかなか衝撃的ですが、こうやって写真で並べてみるとますます、様変わりしたことが実感できます。同じ場所から撮っておけば良かったと後で後悔しました。

この日は東お多福山草原保全・再生研究会の皆様による春のネザサ刈取りと植生調査が行われておりましたので、さしてお役に立てないことを申し訳なく思いながらも専門家の方々が調査される中、記録係を務めました。

ときに皆様は、植生調査をされたことはあるでしょうか。植生調査はとても簡単に言いますと、とある場所にどのような植物がどのくらいあるかを調べるものです。ただ、とある場所の全ての植物と一本一本把握しようとしたらとんでもない時間と人が必要になります。

ですから、植生調査をするときは とある場所の中を区切って調査します。この区切られた場所を「コドラート」(Quadrat)と呼びます。Quadratは元々Quadrate(=四角形あるいは正方形)という言葉が由来でして、その名のとおり四角形で区切られます。例外もあるかもしれません。




コドラートを敷いたら、今度はコドラートの中の植物の種類やその多さや植物の高さなどを調査します。細かい話をしていくと、日記が果てしないものになりますので、調査方法についてはこの辺で。

さて、今回コドラート調査で見られた植物で覚えているものが以下の通り;
・ニガナ
・ヒメハギ
・マルバハギ
・アオイトスゲ
・ヒカゲスゲ
・イタドリ
・ススキ
・ネザサは言うまでもなく
他にも色々あったのですが、どうも私の記憶力ではこれが限界でした。




小さなバッタの子供が飛び跳ね、しきりに辺りを羽虫が飛び交い、地べたを見ればトカゲが顔を出す。もう少しすればカマキリの姿やトンボもこの草原でみられるでしょう。その前の梅雨時には六甲山名物「シチダンカ」(ヤマアジサイの変種で六甲山特産種)も開花を迎えますし、日ごと賑やかになっていくこの季節は楽しみでいっぱいですね☆

それでは皆様、また次回まで♪