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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

自然公園まめ知識

2013年05月07日
神戸
ゴールデンウィークが明けてしまいましたね。みなさまは良い思い出を沢山作られたでしょうか。私、神戸自然保護官事務所の多賀は近所をブラブラしたり、近場の公園でバーベキューをしたりと宣言どおりにまったり過ごしておりました。とはいえ、さすがにこれではせっかくのお休がもったいない気持ちになりましたので、最終日に三重県の青山高原までちょっと足を延ばしてきました。



六甲山では早春に咲くアセビが、青山高原ではまだ咲いていました。(風が強かったのでブレてしまっています。)

正確に申し上げますと、青山高原は三重県と奈良県にまたがる「室生赤目青山国定公園」の中にあります。

ところで今、上の文章を読んで「ん?」と思われた方はいらっしゃいますでしょうか。

「室生赤目青山“ 国 定 公 園 ”」とありますね。
自然公園に詳しい方ならお分かりかと思いますが「国立公園」の書き間違えではありません。

国立公園に携わる仕事をしておりますと、たまに「ここは国定公園やんな?」と尋ねられることがあり、「いいえ、こちらは国立公園ですよ。」と答えると「え?国定公園ちゃうかったら何なん?」と更に質問を返されてしまうことがあります。似た名称なので確かに一度聞いただけでは何が違うのか分かり難いですよね。
この2つの違いはとても簡単ですので、是非この機会に覚えて頂き、そのマメ知識をご友人やご家族にご披露ください。

「国立公園」は国(環境省)が管理している公園で、「国定公園」は都道府県が管理している公園です。いずれも自然公園法に基づいて環境大臣が指定しますが、国定公園の場合は、都道府県からの申出→国による審議→指定という流れになります。
ちなみに自然公園にはこれらのほかにも「都道府県立自然公園」がありまして、こちらは都道府県知事が指定します。

では管理する組織が違えば管理制度も違うのかといいいますと、いずれの公園も自然公園法に基づいておりますので、同じといえるでしょう。

自然公園の管理は大まかに「規制計画」と「施設計画」の2つに分けられます。



「規制計画」では、上地図のように保護レベルによって区域分けを行います。特別保護地区という最も規制が厳しい区域では、その場の落葉や石を拾うことにも許可が必要です。特別保護地区の他にも、第1種特別地域、第2種特別地域、第3種特別地域、普通地域、海域公園などがあります。それぞれ規制の度合いや内容が違うので、もし興味があったら以下URLをご覧くださいませ☆

http://www.env.go.jp/park/system/keikaku.html

「施設計画」では、公園に人が来てもらいやすいよう、また公園で心地よく過ごしてもらえるよう、道路を整備したり、休憩所やトイレ・看板などを設置したり、宿泊施設を設けたりします。



展望台の整備や、展望維持(見晴らしを保つための定期的な枝払い等)などもこの業務に含まれます。

結局のところ、管理する組織が違うだけで、自然公園であることに変わりはありません。「結局、何が違うん?」と言われると、うーむと考え込んでしまうわけですが、1つの組織が一元的に管理するのと、違った組織がそれぞれ管理するのとでは、やはり性質は異なってくるのではないでしょうか。

それでは、小難しい話になりましたが、また次回も宜しくお願いします☆