近畿地方のアイコン

近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

樹氷観測

2013年05月02日
吉野
みなさん、こんにちは。

4月下旬に天川村弥山に行ってきたのですが、まだ桜が咲き始めたばかりの状態でした。とてもキレイで感動しました。歳を重ねると花鳥風月の趣を理解できると、幼少の頃に親から言われたことがあります。私も大人になったのかなとしみじみ感じております。どうも、センチメンタル杉本です。

吉野自然保護官事務所の前の桜はもうすでに新緑を越え、葉が青青としているのに、天川村弥山付近の桜はまだ咲き始めたばかりであるのが、うなずけるぐらいこの日は風も強く、とても冷えていました。
そのおかげか冬にしか見られない、むしろ冬でもなかなか見ることのできない、樹氷を観測することができました。


通常、水は温度が零下まで冷えると氷に変化しますが、ゆっくりかつ静かに冷えた場合液体の状態を保つことがあります。この現象を過冷却といい、過冷却された水は振動などの衝撃を与えるとたちまち氷に変化します。
樹氷は空気中の水分(霧など)がこの過冷却状態で風に乗り、木の枝などにぶつかった衝撃で凍り、ぶつかった物に着氷する現象をいいます。


くじらのひげをコンパクトにたような氷が付いています。

今回の写真を撮影した八経ヶ岳や弥山は、近畿地方で1,2番目に高い山なので、周りに障害物もなく風が良く抜けていました。そのため、あちらこちらで着氷が見られました。


防鹿柵にも着氷していて、規則性のある自然美とでもいいますか、なんとも不思議な景観を造形していました。

だんだん暖かくなってきたとはいえ、山の上はまだまだ寒いこともあります。
これから登山をするなら、防寒にも気を付けたいですね。

といったところで今回はここまで。