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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

あわただしい季節

2013年04月26日
神戸
ゴールデンウィークですね。ご旅行でウキウキソワソワされている方もいらっしゃるのではないでしょうか。私、神戸自然保護官事務所の多賀は行列や渋滞が苦手ですので、なるべく自宅でまったり過ごそうと心に決めております。

この時期は自然界もあわただしいですね。外に出る度に見かける虫の種類が増え、小鳥たちの活動も活発になり、植物は違った花が咲いていて、いつも目を楽しませてくれます。目を楽しませると同時に疑問がわき出たり、昔の記憶を呼び覚ましたりするので、これもまた面白いですね。

疑問から始めますと、最近ようやく私の中で解決した疑問がありまして、それは春から夏ごろに山を歩き回るうちにふと香る、「メンマのようなたくあんのような、何だかしょっぱそうなモノの匂い」の正体でした。いつも匂いはすれど、どの植物なのか分からずにその場を通り過ぎていたのですが、先日たまたま花が満開の状態で、近づいて匂いを確認することが出来ましたのでようやく確信できました。

あれはヒサカキの花の匂いだったのですね。

こんなどこでも見かけるような植物の事を今まで知らなかったの!?などと驚かれそうなので、言い訳をさせて頂きますと、実は私、小学生の頃から社会人になるまで海外暮らしでして、割と一般的に日本で見られるものに見慣れていなかったり、日本語での名称を知らなかったりします。(もともと植物関係は弱いのもありますが。)

特にヒサカキは私の住んでいた国には自生しておらず、その何とも独特な匂いに最初は誰かが近くで調理しているか食事でもしているのかと周りを見回したものです。

別の時には、とち餅で有名なトチノキって見たことあったっけ?と疑問に思い、ふとグーグル先生に尋ねてみたところ、トチノキの親戚がセイヨウトチノキで、そのセイヨウトチノキとは昔住んでいた家の近くの公園で良く見かけたコンカーの木(Conker treeあるいはHorse Chestnuts)であったことに気付いたときは、「なんだ結構見たことあるし、すんごい親近感湧いてきた!」などと1人盛り上がっておりました。ちなみにこれがフランス語でマロニエだと知ったときは「っは!紅○豚のエンディングテーマに出てくる木はこいつの事か!」と更に興奮していたのは内緒です。

さて、日本の植物に戻りまして、名前は良く聞くけれどもまだ見たことが無かったのがこちら、「カタクリ」になります。昔、片栗粉の原材料だった植物ですね。今は数が少なくなったそうですが春に林内で群生している場所もまだあるようですね。



先日ようやく見ることが出来ました☆

同じく春に林内で群生しているもので私にとってなじみ深いのがブルーベルでしょうか。こちらもカタクリ同様、数が減りつつあります。


シュンランも先日初めて見かけて何とも可愛らしい花だと感動してパシャパシャ写真を撮りまくりました。

それにしても、どこの国でも当たり前だった風景や見慣れた生物が減り続けている現状は切ないですね。これからゴールデンウィークに入り、皆様も野外に出かけたりすることも多いかと思います。その際に、綺麗だったり珍しかったり可愛らしかったりする動植物を見たら、捕まえたり採ったりせず、そっとしていただき、思い出だけをお持ち帰りいただくようお願いします。そうすればまた将来その場に戻ったとき、その風景をもう一度楽むことができるでしょうから。

なんだか偉そうに最後語ってしまいましたが、また次回も宜しくお願いします☆