近畿地方のアイコン

近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

有備無患

2013年04月19日
吉野
みなさん、こんにちは!
タイトルの意味は「備え有れば患い(うれい:憂い)無し」です。

我が家のベランダから吉野山の桜が見えるのですが(←ものすごく贅沢!!)、花はいくらか散ってしまい、緑色に染まり始めています。
これから、桜の木には毛虫が増え、毛虫を補食する蜘蛛が増え、我が家のベランダは蜘蛛の巣だらけになります。蜘蛛の巣のおかげか、窓を全開にしていても室内に虫が飛んで入ってくることが少ないです。どうも、蜘蛛の巣を天然の網戸と呼んでいる杉本です。

さてみなさん、日中の気温もぐんぐんと上がり、登山日和がもうすぐそこまで来ておりますね。吉野熊野国立公園情報としまして、大台ヶ原ドライブウェイでは4月25日15時に開通予定で、大峰山寺では5月の初めに戸開式が執り行なわれます。

登山は準備や計画をキチンとしていれば、安全に楽しめる確率がぐんと上がりますが、油断していると危険を伴うレジャーでもあります。また春先は、冬期の運動不足と筋肉の硬直によって怪我をしやすい季節でもあるそうです。

私たちも仕事で山に入る事が多々ありますので、細心の注意を払い計画もしっかりと立てて巡視等をおこなっています。
それでも一切事故などが起きないとは言い切れません。
そこで、万が一の事態に備えるため先日救命講習を受けてきました。

同行している人が倒れて身動きがなくなった場合、まずは自分の安全を確保してから、倒れている人の意識の有無を確認しに行きます。
意識がなければ、周囲に救助を求めて119番通報やAEDの準備を進めてもらいます。
山中では周囲に助けを求めるのが困難な場合が多いので、なるべく複数人で行動したいですね。
救助が到着するまでに行う事は、心臓マッサージや人工呼吸(倒れている人が正常な呼吸をしていなかった場合)です。

AEDの使い方も学びました。AEDは停止している心臓を電気ショックで動かすものと勘違いされやすいのですが、実は心臓の痙攣(けいれん)を止めるものなのです。
心臓が痙攣しているかどうかなんて素人には判断できませんが、AEDのすごいところはこの判断を自動で行ってくれることにあります。
AEDは意外と簡単に使えるように設計されているようです。


人工呼吸とAED

また、山中で怪我をした時の対処法として、三角巾の使い方も練習しました。
三角巾は骨折や捻挫(ねんざ)、外傷など多様に使えるようです。


捻挫の時の固定法

この日に学んだ事は、おそらく定期的に復習しておかないと忘れてしまいそうなので、半年に1度くらいは思い出すようにします。
しかしできることなら、この日学んだ事を使う事態を事前に避けられるよう、注意を怠らないで行動したいですね。

万が一に備えこのような知識を得ることも大切ですが、みなさんも怪我をしないよう、十分に注意し登山を楽しんでください。

といったところで今回はここまで。