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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

ヒドリガモ【動物】

2013年01月10日
熊野
こんにちは。吉野熊野国立公園 熊野地区担当の鎌田です。
今日は、和歌山県 那智勝浦町にある宇久井ビジターセンター周辺で見られるヒドリガモを紹介します。

ヒドリガモは冬になるとやってくる渡り鳥(冬鳥)です。
宇久井周辺の砂浜海岸でも、毎年数十羽が越冬します。
オスは頭部が緋色で白線があります。
メスは多くのカモと同様に地味な色です。

近縁種に、オスの頭部が緑色をしたアメリカヒドリがいます。(下の写真参照、光量が足りなくて色が分かりづらいですが、頭部は緑色で体はヒドリガモと同様褐色です。)
写真のヒドリガモのオスも眼の後ろが淡い緑色を帯びていますが、アメリカヒドリではありません。

(写真上)ヒドリガモ出航、先頭がメス、後続がオス2羽。(写真中)ヒドリガモは目のうしろが淡い緑色をしているものもいます。(写真3)眼のうしろが淡い緑色の個体は、頭部のほとんどが緑色のアメリカヒドリとは違います。



ヒドリガモは植物食です。
昨日は、岩場でノリの様なものを食んでいる様子を見ることができました。

ノリ(?)をついばむヒドリガモ



カモのメスは識別が難しいですが、ヒドリガモのメスは比較的容易です。
他にも特徴はありますが、分かりやすいのは「おでこのライン」。
マガモと比べたマンガが下です。

マガモとヒドリガモの頭部のおでこラインを比較。


マガモの額ははなだらかな曲線ですが、ヒドリガモは微妙にS字カーブしています。
微妙な違いに見えるかもしれませんが、例えば、

「よくわからないカモの雌がいる」
「双眼鏡で見ているけど遠い!」
「おまけに逆光で色合いもよく分からない!」

なんてときに、おでこのラインが最後のヒントになるかも?
遠くてもおでこの形は比較的よく分かります。

どこにでもいるヒドリガモですが、ぜひ観察してみてください!