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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

ひなたぼっこ

2012年12月28日
神戸
年末が差し迫れど事務所内の風景はさして変わらず、仕事中に確認するカレンダーと、確実に増えた今年分のファイルを見て年末を実感しております。皆様はいかがお過ごしでしょうか。神戸自然保護官事務所の多賀です。

事務所内は代わり映えなくとも、外に出れば冬をしっかり感じることが出来ます。先日は六甲の麓でも雪が降っておりました。
といってもチラホラと振る程度でしたので積もることもなく、雲の切れ間からは日の光が差し、存外暖かかった日でもありました。そんな日に日向ぼっこしていたのは・・・



イノシシ。



4頭も。

聞くところによるとこのイノシシたち、まだ小さかったころに誤ってこの川に落ちてしまい、そのまま山に戻ることが出来ずに居ついてしまったのだとか。真偽のほどはともかく、通常は人前から姿を隠す傾向にある野生生物が、さもありなんと目立つところで寝ているのは驚きです。

神戸市は以前からイノシシが街中に出没し、問題となっていたため2002年より「イノシシ条例」(正確には「神戸市いのししの出没及びいのししからの危害の防止に関する条例」)が施行されています。この条例により神戸市の一部区域ではイノシシのエサやりや、エサとなるゴミを放棄することが禁じられています。もちろん六甲山系のハイキング道でもゴミは持ち帰り、イノシシにエサとなるような食物を与えないようお願いしております。

なじみ深い動物ではありますが、あくまで野生生物であり、人からの干渉を受けないほうがお互いの為です。皆様も六甲山系に訪れる際はどうかゴミを持ち帰り、イノシシを見かけても、どんなにうり坊がかわいらしくとも、エサを与えたりしないようお願い致します。

少々話が真面目になりましたね。

気持ちよさそうに眠っているイノシシを後にして、この日は兵庫県山岳連盟様の管理されている「岳連の森」へ行って参りました☆

「岳連の森」は国土交通省による「六甲山系グリーンベルト整備事業」の一環でして、災害防止や良好な景観の維持、生物多様性の保全・育成、レクリエーションの場の提供などを目的にしています。今回はその森で兵庫県山岳連盟の皆様とリース作りを楽しんでおりましたが、よくよく見ると材料の中に何とも便利そうなアイテムが・・・。




画像が粗くて申し訳ありませんが、上の写真の植物が何か分かりますでしょうか。お正月に良く使うアレです。そろそろスーパーでも出回り始めていますね。

答えはウラジロです。

山に入れば結構自生しておりまして、この時期になるとそういったものについつい目が行くようになってしまいます。あ、単に私がそれらを見るとお正月のご馳走を思い出すからかもしれません。マツなどもこの季節に見ると門松やらおせちのつまものを連想してしまいます。

このウラジロ、少し採って(※必ず事前に土地所有者の了承を得てくださいね。)、綺麗に洗ってふきんなどで拭き、ラップかプラスチックの袋に入れ、冷凍庫に平たくなるように置けば、そのまま保存出来るらしいです。使うときは室温に置けばすぐ戻るのだそうで。ちょっとした主婦の知恵も、こちら「岳連の森」で習得させて頂いた日でした。

さて、長々と書き連ねましたが、皆様いつも読んでくださりありがとうございます。
来年も引き続きアクティブレンジャー日記を宜しくお願いします。

それでは皆様、良いお年を☆