アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]
海豹と書いてアザラシと読む【動物】
2012年12月19日
竹野
皆さんこんにちは。竹野の酒井です。
竹野では12月9日から雪が降り始め、車の雪下ろしと駐車場の除雪でてんてこ舞いになったかと思えば、みぞれがしとしと降り続き、除雪した雪がみるみる溶けてゆくのを見て「あの雪かきの労力はいったい何だったのだろう」と悲しくなったりと、不安定な天気が続いています。
さて、そんな雪が降る中、竹野自然保護官事務所に一本の電話がかかってきました。
電話を取ってみると豊岡市役所の竹野支所の方からで、
「市民の方から大浦湾(竹野スノーケルセンタービジターセンターの前の海岸)にアザラシが漂着しているという通報があったが、何か情報を持っていないか?」
という問合せでした。
情報は持っていませんでしたので、確認のために支所の方と一緒に大浦湾に向かい、海岸を歩いて行くと…
前方にあった岩が突然動き出し海に向かって這っていきます。
アザラシです。
話しながら不用意に近づいたせいかあっという間に逃げてしまいあまり写真は撮れませんでしたが、体の模様を確認した限りではゴマフアザラシ(胡麻斑海豹)という種のようです。
背中に黒胡麻をまぶしたような斑模様があることからこの名前がついたのだそうです。
生活は岩場で行うため、岩と同化したような毛の色をしています。
ベーリング海、オホーツク海といった北の地域から渤海、黄海の辺りまで幅広く生息している種です。
ただ、なぜ大浦湾にいたのかは分かりません。
しかし、アザラシが大浦湾に「漂着していた」、というよりは「休憩していた」といった感じです・・・
さてその翌日、竹野スノーケルセンターに「昨日大浦湾にアザラシがいた」という報告をし、いくつか事務作業を終えた後に、ふと、ちょっと大浦湾の様子でも見に行こうと思い立ち、大浦湾の波打ち際を歩いていると…
またいました。
今回は気づかれることもなく、じっくりと写真撮影出来ましたが、しばらくすると海に向かって這いだし、逃げてゆきました。
スノーケルセンターの職員さんと、「これは大浦湾に居着いたのじゃないだろうか、定着したならば名前をつけなくては。」などと話しておりました。
さらにその翌日…
竹野スノーケルセンターに行ってみると、昨日目撃したアザラシと同個体らしきゴマフアザラシの死体が漂着したとの情報が。
体長は102cmのまだ大人になりきっていない、群れからはぐれた個体のようです。
センター長の話では、「(三枚目の下側の写真のように、)アザラシの体には体毛が抜けて皮が見えている箇所が何カ所かあった。体毛の抜け以外には特に目立った外傷や異常等が見られないことから、体毛が抜けることによって保温力がなくなり、海や外気に体温を奪われて衰弱した事が直接的な死因ではないか」とのこと。
ただ、
①体毛がごっそり抜けていた原因
②なぜ大浦湾にいたのか
③この個体はどこからきたのか(渤海からベーリング海の間のどの辺りの個体群からはぐれたものなのか)
という、三つの謎がまだ分かりません。
また何か分かったことがあれば皆さんにお伝えしたいと思います。
竹野では12月9日から雪が降り始め、車の雪下ろしと駐車場の除雪でてんてこ舞いになったかと思えば、みぞれがしとしと降り続き、除雪した雪がみるみる溶けてゆくのを見て「あの雪かきの労力はいったい何だったのだろう」と悲しくなったりと、不安定な天気が続いています。
さて、そんな雪が降る中、竹野自然保護官事務所に一本の電話がかかってきました。
電話を取ってみると豊岡市役所の竹野支所の方からで、
「市民の方から大浦湾(竹野スノーケルセンタービジターセンターの前の海岸)にアザラシが漂着しているという通報があったが、何か情報を持っていないか?」
という問合せでした。
情報は持っていませんでしたので、確認のために支所の方と一緒に大浦湾に向かい、海岸を歩いて行くと…
前方にあった岩が突然動き出し海に向かって這っていきます。
アザラシです。
話しながら不用意に近づいたせいかあっという間に逃げてしまいあまり写真は撮れませんでしたが、体の模様を確認した限りではゴマフアザラシ(胡麻斑海豹)という種のようです。
背中に黒胡麻をまぶしたような斑模様があることからこの名前がついたのだそうです。
生活は岩場で行うため、岩と同化したような毛の色をしています。
ベーリング海、オホーツク海といった北の地域から渤海、黄海の辺りまで幅広く生息している種です。
ただ、なぜ大浦湾にいたのかは分かりません。
しかし、アザラシが大浦湾に「漂着していた」、というよりは「休憩していた」といった感じです・・・
さてその翌日、竹野スノーケルセンターに「昨日大浦湾にアザラシがいた」という報告をし、いくつか事務作業を終えた後に、ふと、ちょっと大浦湾の様子でも見に行こうと思い立ち、大浦湾の波打ち際を歩いていると…
またいました。
今回は気づかれることもなく、じっくりと写真撮影出来ましたが、しばらくすると海に向かって這いだし、逃げてゆきました。
スノーケルセンターの職員さんと、「これは大浦湾に居着いたのじゃないだろうか、定着したならば名前をつけなくては。」などと話しておりました。
さらにその翌日…
竹野スノーケルセンターに行ってみると、昨日目撃したアザラシと同個体らしきゴマフアザラシの死体が漂着したとの情報が。
体長は102cmのまだ大人になりきっていない、群れからはぐれた個体のようです。
センター長の話では、「(三枚目の下側の写真のように、)アザラシの体には体毛が抜けて皮が見えている箇所が何カ所かあった。体毛の抜け以外には特に目立った外傷や異常等が見られないことから、体毛が抜けることによって保温力がなくなり、海や外気に体温を奪われて衰弱した事が直接的な死因ではないか」とのこと。
ただ、
①体毛がごっそり抜けていた原因
②なぜ大浦湾にいたのか
③この個体はどこからきたのか(渤海からベーリング海の間のどの辺りの個体群からはぐれたものなのか)
という、三つの謎がまだ分かりません。
また何か分かったことがあれば皆さんにお伝えしたいと思います。