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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

冬山の楽しみ方

2012年12月28日
吉野
みなさんこんにちは!

いやぁ、もう年の瀬ですね。みなさんにとって今年はどんな年だったでしょうか?
2012年ももう残すところ本日を入れて4日しかありません。2012年中にやり残したことはないかと、必死のパッチの杉本です。

さてさて、みなさんにとって登山をしたくなる季節っていつですか?
深緑や花々が美しい春?
暑さを忘れて森林浴の夏?
木の実や紅葉を楽しめる秋?

どれも良い季節ですが、私はけっこう冬の山も好きだったりします。
そこで今日は冬の雪山の楽しみ方の一つをご紹介したいと思います。

どの季節にも言えることですが、山の中には野生動物の生活の痕跡を見ることができます。何かを食べた跡や足跡や動物の糞などをフィールドサインと呼ぶのですが、このフィールドサインからいろんな情報を得ることができます。
例えば、糞の大きさや形からなんの動物の糞かを知ることもできますし、何を食べているのか、いつ頃した糞なのか、群れで行動しているのかどうかも分かってしまいます。

雪山の場合、キレイな白一面に動物が歩いた跡や食べかすなどが散らかっていると、ものすごく目立つのです。フィールドサインの代表格である足跡が特に目立ちます。
状態のいい足跡からは、なんの動物かはもちろん、何歳ぐらいの足跡なのか、いつ頃歩いた足跡なのかなどが分かります。

さらに雪山はとても静かなので、遠くにいる野生動物の鳴き声なんかも聞こえちゃったりします。冬の山の方が野生動物との距離が近くなれる気がするので、私は冬の山が好きなのです。


ここでひとつ足跡をご紹介


さてなんの足跡でしょうか?

近くに寄ってみますと・・・・


少し時間が経ってしまっており、状態が悪いので足の指などは見ることができませんが、これでも得られる情報はたくさんあります。
おおよそ5cmぐらいであるとか、雪の溶け具合から1日以上は経っていることとか、近くに同じような足跡は見つからないことから単独行動であるとか、なによりも足跡の付き方が特徴的です。

上の写真のように、ちょちょん、ちょちょんと2つの足跡がセットのものはおそらくタヌキではないかと思います。間違っていたらごめんなさい。

タヌキの成体の足跡はだいたい3~4cmなので、大きさ的にはあっていますが、タヌキは2頭以上で行動する事が多いので、間違っているかもしれません・・・・

そんな感じでフィールドサインから色々推測しながら山の中を歩くと、いつもと違った自然に出会えます。

といったところで今回はここまで。みなさん良いお年を!!