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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

要注意外来植物「ノハカタカラクサ」【植物】

2012年10月02日
熊野
こんにちは、吉野熊野国立公園 熊野地区担当の鎌田です。

今日は熊野周辺で見られる要注意外来生物の「ノハカタカラクサ」(別名「トキワツユクサ」)を紹介します。

「要注意外来生物」とは?
環境省が選定した取扱いに注意が必要な生物を指します。これらの生物が野外に広がると、在来の生物と競合してこれを駆逐してしまったり、雑種を作って在来の生物の独自性を損なわせてしまうなど、さまざまな問題が起こる可能性があります。
また、外来生物法に基づき「特定外来生物」に指定された生き物は、栽培(飼育)や運搬が法律で禁止されています。アライグマやブラックバスなどがこれに該当します。



ノハカタカラクサは南アメリカ原産の外来植物です。園芸用に栽培されていたものが野外に逸出したものです。別名「トキワツユクサ」の通り、ツユクサの仲間です。
葉が波打っており、白い花が咲きます。


これは理科の実験でもおなじみの「ツユクサ」。こちらは青い花が咲きます。


ノハカタカラクサの繁殖力は旺盛で、あちこちで群落になっているのを目にします。茎にある節から根を伸ばせるので、植物体がちぎられても、片方が根付いて増えていきます。ノハカタカラクサの群落が地面を覆ってしまうと、背丈の低い在来の植物の成長を阻害してしまいます。


ノハカタカラクサの群落を機械を使って刈り払っても、生育範囲を広げてしまうので、防除のためには一本一本手で抜くしかありません。

ノハカタカラクサをはじめ、外来植物を処理する場合には、2~3日の間天日にさらして完全に枯死させた後、ビニール袋などに密封して、各自治体の方法に従って処分してください。
外来生物がむやみに広がらないように、みなさまのご協力をよろしくお願いします!
外来生物については、環境省の外来生物法のサイトもご参照ください。
http://www.env.go.jp/nature/intro/index.html