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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

道端草花観察記【植物】

2012年06月29日
竹野
こんにちは。
梅雨時ですね。
梅雨時と言うことは花の時期ですね。
梅雨時が花の時期と言うと「何で?」と思う方もいらっしゃると思います。

梅雨時の植物と聞いて思い浮かぶものとしてアジサイがありますが4月のサクラや8月のヒマワリなどと比べると少し地味なイメージがあります。その代わりに道端に生えているような身近な植物や雑草とひとくくりにされてしまうような植物が多く花を咲かせる時期が梅雨時なのです。
さて、今日はそんな梅雨時の竹野に咲いている花の中で私が気になったものをご紹介したいと思います。



アザミ(薊)
竹野スノーケルセンター・ビジターセンター前にて見つけました。
とげとげの葉っぱに紫色の花をつけるキクの仲間の植物です。
アザミはこの矢印で示されている部分がおもしろいのです。
皆さんの近所にも咲いていると思うので是非触って確かめてみていただきたいのですが、
この部分、触ると少しちくちくとしていて、すごくべたべたとしています。
なぜその部分がべたべたしているかというと、これはアリ除けなのだそうです。
蜜を吸うついでに花粉を運んでくれるハチやチョウはアザミにとっては是非蜜を吸いにきてほしい虫たちですが、蜜だけを吸って花粉を運ばないアリにはきてほしくないのです。アリは茎を伝って花までたどり着くので矢印の部分をべたつかせてアリが来ることを防いでいるのだそうです。
ゴキブリホイホイならぬアリホイホイですね。
本当に植物って上手く仕組みをつくっていますね。



その次に紹介するものはホタルブクロ(蛍袋)
竹野では最近よく咲いていて花の色は白いです。
私の中ではホタルブクロというと赤紫色のの花というイメージが強かったのですが、
関西だとむしろ白の方が主流なのだそうです。
関東では赤紫、関西では白、色が変わる境界線がどこかにあるはずです。
例えばゲンノショウコ(現の証拠)という植物は北アルプスを境界に花の色が変わります。



最後にハマボウフウ(浜防風)
見た目はカリフラワーによく似ています。
竹野自然保護官事務所から徒歩1分の弁天浜で今たくさん咲いています。
野草として食べられる草であり、薬草でもあるようですが、どうしてもカリフラワーの味を想像してしまいます。食べ方は酢味噌和えやサラダなど。どんな味なのでしょうか。
今度道の駅で買って食べてみたいと思います。
近畿地方では最近減ってきている植物のようです。

今回は梅雨時の花を三つご紹介してみました。
身近な植物でも綺麗なもの、おもしろい仕組みを持つものはたくさんあります。
皆さんも足下に咲いている花を観察してみてはいかがでしょうか。