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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

自然観察山歩@仏谷

2012年05月18日
神戸
さて、ここ最近動物の話ばかりだったような気がしますので今日は六甲山の植物の話を中心に綴っていきたいと思います。

六甲山は街中から簡単にアクセスできますので、ハイキングに人気のスポットです。もうとにかくハイキングされている方や山ジョギングされている方を沢山見かけます。中には毎日登山をされる方もいらっしゃって、実に1万回を記録されている方もいます。1年間が365日ですので、一日も欠かさずに登山したとして、27年チョイはかかるという計算ですね。
六甲山のところどころに署名簿が置かれている場所があり、登ったら署名簿に名前を記入するそうです。ちなみに一万回を記録すると、それを称えて再度山(ふたたびさん)の記念塔に名前を刻んでもらえるとか。明治半ば以降から続けられているらしく、朝のジョギングといった感覚で職場へ行く前に登ってくるというスタイルなどがあるそうで、本当に見習いたいですね。

さて、そんな登山1万回(以上)という偉大な記録保持者達がいらっしゃる「神戸ヒヨコ登山会」主催の「自然観察山歩」に参加してまいりました。それがもう皆様観察熱心、勉強熱心でして。
「先生~、これ何の花ですか~!」
「先生こっち来て説明してくださいな~っ」
「ちゃんと花の名前、後ろの人に伝えてください~!伝言ですよ~!」とそれはにぎやかな自然観察会でした。
ちなみ先生の説明は分かり易く、例えば若葉にふわふわの絹毛が生えているシロダモの木があったのですが、それを指して「シロダモはね、若葉が白くてフワフワだからウサギの耳。それを目印にするといいよ。」とか、モチツツジの花を見かけると「あれはモチツツジ、花ビラの裏を触ってみるとモチっとしているでしょ。だからモチツツジです」等々。


(モチツツジの花)
その他にも六甲山ではなかなか見かけられないヒトツボクロについて説明していただきました。


(ヒトツボクロ:左が葉の上面で、右が葉の裏面)
見かけは多少地味なやつですが、葉っぱの裏は綺麗な紫色です。夏になると20~30㎝程のスラリと細長い茎を伸ばして先端にかわいらしい小さな花をつける、なかなか奥ゆかしい子です。
他にもちらほらスミレ科の花が咲いていたのですが、先生の話を聞く前に周囲から「あんな、スミレはな、種類が多すぎるから覚えたらあかんねん。スミレと分かってたらええねん。」というコメントや、「スミレ科は交配し易いからね、なんぼでも新しいのが出てくるわ。」となんだかマニアックな話まで。ますますARとして勉強不足だなと思い知らされた日でした。

そうこうして歩いているうちにあっという間に自然観察山歩は終わり、大変勉強になりつつ、なんだか打ちのめされた気分で帰途についた日でしたとさ。

さて気分をガラッと改めまして、告知が大変遅くなりましたが5月20日に開催される「神戸まつり」内の「おっ!サン商店街」に環境省 近畿地方環境事務所もブースを出します!もしご興味があれば是非遊びにいらしてください!
(下図の矢印のあたりに出展します。)


神戸まつりの詳細については、神戸まつりの公式HPをご参照願います。
それでは皆様にお会いできるのを楽しみにしております☆