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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

線路はつづくよ どこまでも【施設・植物】

2012年04月27日
吉野
みなさん、こんにちは。吉野の大峯地区担当の杉本です!
暖かい日が続いており、虫や鳥たちが騒がしくなって、外出するのが楽しくなる季節がやってきましたね。

ポカポカ陽気で睡眠時間が大幅に長くなりつつある毎日であります。だがしかーし、ひとたび山の上まで登ってみると、白い息が出るわ、風は冷たいわ、雪は積もってるわで、まだまだ春は遠いのであります。
今日のAR日記は、まだ雪の残る弥山(みせん)でのお話です。

弥山は標高1895mと八経ヶ岳(1915m)に次いで近畿地方で2番目に高い山岳です。
歩いて登ると3時間はかかると思いますが、弥山の麓と頂を結ぶモノレールを使うと約50分で登ることができます。普段このモノレールは登山用には使いません。
では、このモノレールの用途は?と聞かれますと、山頂にある公衆トイレのし尿や消耗品(トイレットペーパーなど)を運搬するための施設なのです。このトイレ、冬の間は閉鎖していましたが、4月28日から使えますので、その前にモノレールとトイレの点検を行うため、モノレールに乗車しました。
この公衆トイレの詳しい情報は前任の朝倉ARの記事をご覧ください⇒http://kinki.env.go.jp/blog/2009/08/06/index.html


山頂へと続くモノレール(4月24日撮影)


こんな細いレールの上を成人男性4人(車輌の重さも考えると推定400kg)が「ガガガガ....」と登ってゆきます。モノレールの揺れが心地よい眠気を誘ってきますが、冒頭で書いたように、山頂付近はまだ雪が残る程気温が低く、寒くても体を動かすことができない上に、モノレールにはシートベルトもないためバランスを崩すと落っこちてしまいそうなので、とても眠れる状態ではございません(仕事でモノレールに乗車しているのだから、そもそも寝るという発想がおかしい、という見解が正当です)。

さて、ただただ50分も座りっぱなしでは退屈そうに聞こえますが、なんといっても大自然の中のモノレール。乗りながらにして絶景を拝むことができます。ただ、その日は黄砂の影響で、遠くの山々は ぼやーっとしてました。
スキッと晴れた日に景色を拝みたいものですね。黄砂は黄砂で靄がかかっているように見えなくも無いですが。


ぼやーーっとした山々(4月24日撮影)

さて、山頂までやってきました。座りっぱなしで固まってしまった体を伸ばしつつ、深呼吸。
周囲を眺めると、見事なコケ岩に出会うことができました。スギゴケの仲間だと思います。


写真左:見事なコケ岩  右:コケの近写

触るとふかふかしていて気持ちよかったです。

ものすごく座り心地の良さそうな大きさの岩の上に群生していますが、このような植物たちはとてもデリケートです。山道を歩いていて疲れたとしても、たとえふかふかして座り心地のよさそうなコケ岩があったとしても、座らないであげてくださいね。ご協力お願いします。