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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

音の世界

2012年04月17日
神戸
さて、前回結構鳴き声とか音にまつわる話を書いたので、今回もちょっと続けて音の話を綴っていこうかと思います。

またもや「その程度の事は知ってます」な内容になるかもしれませんが、ご容赦ください。

皆さんもご存じのように、人間には聞こえる音の範囲がありますね。
小・中学校のあたりで、例えば音というのは高音になればなるほど聞こえなくなるというのを学んだのではないでしょうか。コウモリの発する超音波などが良い例でしょうか。
また、イルカの鳴き声も実は人間の可聴域を超えているのですね。ですから皆さんが耳にしたことのあるイルカの鳴き声というのは、一度採取した音を人が聞くことの出来る音域に変換しています。
子供の頃は海に潜るだけでイルカの声が聴けるのではないかと期待に胸を膨らませていただけに、この事実を知ったときはちょっとショックでした。

聞こえない高音があるのならば、聞こえない低音もモチロンあります。
実は高音に比べ、低音の方がより遠くへ響くので、動物は遠く離れた仲間とのコミュニケーションにこの低音を活用しているようです。
例えばアフリカゾウは、人にはとても聞こえないような低く、且つ大音量(でも私達には聞こえないのが面白いですね)で時に10kmほども離れた仲間とコミュニケーションをとるようです。
しかも、です、音は空気を伝わるだけではなく、水中や地面も伝わりますので、時としてゾウは地面を伝わる音を使って数百キロ先の仲間の様子を知ることが出来るとか!ちなみにこの場合、ゾウは耳でなく足の裏から振動を感じ取るそうです。まさに「超」能力。
陸の動物が低音を使うなら、海の動物も低音を使います。クジラもこの低音を出して互いにコミュニケーションをとっていると考えられています。ちなみに、このクジラが発する海中の低音、条件がそろえば1000km程先まで届くのだとか。いやはやスケールの大きい話です。
スケールが大きくなったところで今度はもうちょっと小さな話。
セミや鈴虫、コオロギなんかも音を出しますね。彼らは音によって互いを呼んだりしまして、夏から秋にかけて屋外は虫の音で随分にぎやかになります。そう、私達にとっては。
実は彼ら、自分で自分の出している音が聞こえていなかったり、他の虫の出している音が聞こえてなかったりします。詳しくは私も調べていないので、どの虫がどの虫の音まで知覚しているのかはちょっとここには書けませんが。

視点を変えるといいますか、私達が知覚している世界と、他の動物達が知覚している世界を比べたり、むしろ彼らの知覚している世界を実際に体験できたらきっと面白いでしょうね。いやあ、こんな時こそドラ○もんがいたなら・・・なんてね。

残念ながら今回も全く写真も絵もない日記となってしまいました・・・近いうちにもう少し華やかな日記を書きたいものです。

では、また次回まで☆