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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

六甲全山縦走 後編【イベント】

2011年11月22日
神戸
みなさんこんにちは。
今日は前回に引き続き、六甲山全山縦走の後半戦の様子をお伝えします。

菊水山を11時20分に出発し、鍋蓋山(なべぶたやま)を目指します。
前回の日記でも書きましたが、このときはまだまだ余裕だったんです・・・



11時45分にようやく天王吊り橋を渡り、いよいよ瀬戸内海国立公園に突入です。
菊水山を通過しても依然として登りの山道では渋滞が続いています。
当初の予定では再度山(ふたたびさん)で昼食をとろうと思っていたのですが、鍋蓋山に着いたころには12時を回っていたので、山頂でおにぎりとパンを食べました。

休憩を終え、いざ摩耶山(まやさん)へ!

再度山を13時過ぎに通過し、市ヶ原から摩耶山への登りに差し掛かったころ、私の太ももとふくらはぎが痛み出しました。これはもう気のせいなんかじゃありません。本格的に痛いです。
市ヶ原から摩耶山までは標高差400m以上あります。稲妻坂を通過し、天狗道を登っている時には左ひざまで痛くなりました。



摩耶山山頂の掬星台(きくせいだい)では摩耶山を守ろう会によるホットレモンの無料配布が行われていました。疲れた体に甘くて酸っぱいホットレモンが染み渡ります。掬星台から出ているまやビューラインで下山したがる太もも・ふくらはぎ・左ひざを何とか説得し、先を急ぎます。

この頃になると風も出始め、歩いていても寒さを感じるようになってきました。
摩耶山から六甲最高峰までの約10㎞はコンクリート舗装された車道沿いを歩くことが多く、歩き疲れた足にコンクリートの硬い地面は本当にきついです。早く落ち葉の敷き詰められた山道に戻りたい・・・

※この頃にはカメラをポケットから出して写真を撮る気力もなくなっており、写真が手振れしていたり、いきなり暗闇になっていたりしますが、ご容赦ください。



六甲山郵便局前では温かい甘酒が振る舞われていました。甘酒のアルコールで体が温まり、いよいよ終盤戦へ突入です。

六甲最高峰を横目に大平山(おおひらやま)を目指します。夕方5時を過ぎると森の中は暗くなり、再びヘッドライトの登場です。ところどころ危険な箇所にはランプが設置してありますが、夜の山道は真っ暗で、ヘッドライトがないと何も見えません。この頃になると渋滞も解消され、前後に誰も歩いていない状態なので、ヘッドライトを消すとあたり一面真っ暗なので、とても不安な気持ちになりました。

大平山を越え、あと8㎞となった頃には足の全部の箇所が痛く、途中太ももの筋肉が攣りそうになってしまいました。よーくストレッチして、ゆっくりと塩尾寺(えんぺいじ)を通過します。

宝塚市街地の舗装された道路に出ると宝塚ゴールの看板が!道路を歩く人たちも足を引きずりながらゆっくりと最後のゴールを目指します。

19時39分。ついに宝塚のゴール!!長い!長すぎる!13時間54分16秒歩き通しました!
係りの人に順位を聞いたところ、2000人中745番だそうです。こんなに遅いのに1000番以内で到着できました。感無量です。

ゴール地点には抱き合ってゴールを喜ぶ人や、疲れ果てて座り込んでいる人、賞状と一緒に写真撮影している人など様々ですが、みなさん充実感に溢れていました。

六甲全山縦走はとてもきついイベントでしたが、本当に参加してよかったと思います。普段なかなか自分の限界に向き合う事がありませんが、この日は自分の限界を超えられたように思います。13時間以上も歩き続けた苦しみに比べれば、少々のつらいことなんて簡単に乗り越えられる気がします。一生忘れることのできない、とても良い経験になりました。

またゴールしてみて、今回完歩できたのは多くの人に支えられていたからだと改めて思いました。主催者の神戸市の方以外にも、多くのボランティアの方が参加者の安全を守ってくれていました。朝早くから横断歩道で車を止めてくれた方や、夜遅くまで歩道をライトで照らしてくれた方、歩くのがつらいときに励ましてくれた方など、本当に多くの方々に助けられました。

地域の方々の繋がりを深く感じた一日でした。