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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

台風被害とウミガメ調査【その他】【動物】

2011年09月15日
熊野
こんにちは、熊野地区担当の鎌田です。
台風12号の影響により、熊野地区でも大きな被害が出ています。





大勢の方が浸水などの被害に遭い、また世界遺産に登録されている熊野古道などの文化財も被害を受けているようです。亡くなった方々のご冥福を祈ると共に、復興の一助となれるようがんばっていきたいと思います。







さて、先日、「紀宝町 ウミガメ公園」が行っているウミガメの調査に同行しました。今回の調査は、七里御浜に産卵したアカウミガメの卵のふ化率を調べるものです。

アカウミガメの子供は、産卵から2ヶ月ほどでふ化し、砂の中の巣を脱出して海へ旅立ちますが、残念ながら、中にはふ化できなかったり、ふ化できても脱出できずに死んでしまうものもいます。
台風による高潮や(海水に触れると卵はふ化できません)、環境の変化などが原因と言われていますが、よく分かっていないことも多いです。
ふ化率を調べることで、ウミガメの個体数の変化を知るめやすになり、またウミガメの生態を知る上での貴重なデータになります。




仔ガメが巣立ったあとの産卵巣を堀、卵のカラを数えることで調査を行いました。





今回の調査では、産卵数が105個、ふ化できていた卵が80個でした。ふ化率は約76%で、これは例年よりだいぶ高い値です。台風の影響もありましたが、多くの仔ガメが無事海へと旅立てたようです。

今年ふ化したウミガメが、また七里御浜に産卵に戻ってくるといいですね!