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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

琵琶湖のお魚復活作戦【イベント】

2011年09月13日
神戸
みなさんこんにちは。
台風12号が近畿地方を直撃し、各地で大きな被害が出ています。近頃は天災が相次ぎ、自然の猛威を思い知らされます。環境問題では人間の影響はとても大きいですが、このような天災を前にすると人間の無力さを痛感します。行方不明の方々の一日も早い救助とご無事をお祈り致します。
(気象庁発表の「災害から身を守るための情報」http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/index.html)

さて、8月27日(土)に滋賀県高島市今津町にある貫川内湖で環境省主催の【☆琵琶湖のお魚復活作戦~釣りによる外来魚駆除~】が行われました。
昔から琵琶湖や周辺の内湖では多種多様な生物が生息していました。しかしながら近年、外国から持ち込まれたオオクチバスやブルーギル等の外来魚により、フナやタナゴなどの日本にもともと生息していた在来魚が減少してきてしまいました。
今回のイベントは、減少してきた在来魚を復活させる為に外来魚を釣って駆除しよう、というイベントでした。

当日は夏休みという事もあり、参加者82名と大盛況で、天気も良く、絶好の釣り日和でした。


朝9時30分から受付が始まり、保険代として100円を払います。事前申し込み制でしたが、当日飛び込みでの参加もOKという事で、21名の方が飛び込みで参加してくれました。
開会式で琵琶湖の生物の生息状況や外来魚の解説などを受け、いよいよ釣り開始です☆



たくさん釣ってやるー!と気合を入れて、皆さん釣れそうなポイントに移動します。餌は小さな冷凍エビでしたが、餌を入れるとツンツンと小さなアタリがきます。参加者の方々も一人2~3匹のブルーギルが釣れていました。中には10匹以上釣る方もいました!
約2時間の釣りを終え、釣った外来魚を集めて集計します。駆除量は

オオクチバス:4匹 0.4kg
ブルーギル:178匹 6.5kg
           計6.9kg

でした。去年とほぼ同じ駆除量だったそうです。集められた外来魚は県の方に引き取って頂きました。

このようなイベントでは外来魚が悪者として紹介されますが、本来オオクチバスもブルーギルも日本にはいない魚で、北アメリカから輸入された魚です。オオクチバスやブルーギルは当然子孫を繁殖させますし、捕食も行います。この行為自体は自然の摂理で、北アメリカでブルーギルが自然破壊を行っているかというと、そうではありません。本来の生息域ではない日本に持ち込まれて初めて自然破壊が起きるのです。元を正せば、この責任は安易に持ち込んでしまった人間にあります。
罪のない外来魚を駆除する事は人間のエゴであるように思う方もいらっしゃるかもしれませんが、人間のせいで失われつつある自然を再生させるという責任を果たすため、今後もこのような活動を通して自然を保護していきたいと思います。

今回は小さなお子さんもたくさん参加してくれました。なかなか普段の生活では接する事のないような経験をたくさんしてもらえたのではないでしょうか。皆さんの周りでもこのようなイベントがありましたら、是非参加してみて下さい☆


☆本日の「君はだ~れ?」☆
~解答編~

先日第一回として立ち上げた「君はだ~れ?」のコーナーですが、第一回から苦戦しました。(第一回「君はだ~れ?」はこちら→http://kinki.env.go.jp/blog/2011/08/25/index.html)

図鑑をパラパラとめくってみてもなかなか見つからず、まさか「ガ」の仲間なのでは・・・と焦りましたが、どうやらセセリチョウのようです。
しかしセセリチョウでもたくさんの仲間がいて、どのチョウも当てはまりそうで、どのチョウにも当てはまらなそうです。一体君はだれなんだ??

見た目から判断した結果【コキマダラセセリ】と予想しました。そこで吉野自然保護官事務所の朝倉アクティブ・レンジャーに質問してみたところ「見てみた感じ【イチモンジセセリ】または【オオチャバネセセリ】のどちらかのようです。」と言われ、あっさり外れてしまいました。
【イチモンジセセリ】と【オオチャバネセセリ】は後翅の白斑で見分けがつくそうです。



上の図のように白斑が一直線なのが【イチモンジセセリ】でジグザグなのが【オオチャバネセセリ】です。私の撮影した写真ではいまいちそこが分かりにくく、どちらのチョウなのか判断が困難だそうです。
楽しみにして下さった皆様には非常に申し訳ありませんが、第一回の「君はだ~れ?」は同定失敗です。すみませんでした。
今回私は、ただ写真を撮ってくれば同定できるわけではなく、そのチョウの特徴を捉えた写真を撮影しないと同定できないという事を学びました。その為にはチョウの特徴を知らなければならないのですが、しばらくは色々な角度からたくさんの写真を撮ってこようと思います。
昆虫に詳しい方には大変もどかしいかもしれませんが、私が昆虫博士になるまでの過程を見守って頂きたいと思います。

次回をお楽しみに☆