近畿地方のアイコン

近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

現地検討会 【その他】【動物】

2011年08月23日
吉野
 皆さん、こんにちは。
朝夕は随分涼しくなりましたが、まだまだ昼間は日差しが強いですね。皆さんはいかがお過ごしでしょうか。

 8月5日に希少生物の現地検討会が行われました。当日は生憎の天気となり、カッパ、長靴に身を包んでの実施となりました。

写真:一度だけ青空が!この後またすぐ雨空に・・・

 ひと言に「希少生物の保護」と言っても、対象種だけを守るのではなく、その種が好む周囲の環境も保護する必要があるのです。例を挙げると、動物の中には「ある一種類のものしか食べない」という生き物がおり、「ユーカリの葉しか食べないコアラ」もその中の一つです。コアラを保護するためには、唯一の食べ物であるユーカリの木が生える環境を保護しなくては、コアラは生きて行けないのです。今回の現地検討会も、周囲の環境が適切かどうかを確認する意味も含めて行われました。
この検討会では、「マムシ目撃の多発場所」も通ることになり、さすがに今日は見られないだろうと思っていた最中、きちんと(?)見ることができました。

写真:どこを見ているのかな?

 マムシ目撃多発場所も無事に通り過ぎ、昼食時でもパラパラと小雨が降っていましたが、そんなことはお構いなしに、私の昼食を狙うものが現れたのです。

写真:(左)私のお昼ご飯が・・・ (右)よく見ると、ちゃんと口を伸ばしています

 何と、私が食べていた最中のおにぎりにウラギンシジミ(シジミチョウ科)が横取りにきたのです。まわりにも昼食を食べている人がいるのに、私のまわりばかりを飛び回り、おにぎりに着地、すかさず口を伸ばしては何かを吸っていました。私が写真を撮ったり観察したりしていると、満足したのか、飛んで行ってしまいました。

 今回の現地検討会では、たくさんの動植物を見ることができました。対象種にとっても、周囲の環境が悪化しているようには見受けられなかったのですが、残念ながら、見ることも気配を感じることもできませんでした。しかし、「対象種が見られない=いない」と放り出すのではなく、この豊かな自然環境を守り続け、「絶滅」という悲しい出来事が起こらないよう、最善の努力をしていきたいと思います。