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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

同定【動物】

2011年04月28日
神戸
みなさんこんにちは。

本日は、動物の同定について皆さんにご紹介したいと思います。
ここでいう同定とは、生物の分類学上の所属・名称を明らかにすることで、簡単に言うと「この動物は一体何という動物だろう?」というのを調べる事です。

先日、淡路島にある常隆寺山に巡視に行った時に一匹の蝶を見つけました。



何という名前の蝶なのか全く見当がつかなかったので、早速事務所に帰って調べてみました。
しかし、恥ずかしながら今まで蝶を図鑑で調べた事がなかったので、どこから手を付けたらよいか分かりませんでした。とりあえず図鑑をパラパラとめくって、「オレンジ色の蝶」というのを探してみました。

「ん?・・・【ベニシジミ】かな?」

オレンジ色の蝶を手掛かりに探した結果、【ベニシジミ】という蝶を見つけたのですが、何かちょっと模様が違う気が・・・
もしかして新種!?自分の名前が付くのかな!?
などとドキドキしましたが、ここは昆虫に詳しい吉野保護官事務所の朝倉アクティブレンジャーに聞いてみる事にしました。(以前も昆虫の同定をして頂きましたが、その際の日記はこちら→http://kinki.env.go.jp/blog/2010/11/24/index.html)

朝倉AR 「この子は・・・タテハチョウ科の【アカタテハ】です。」

そう言われて図鑑で【アカタテハ】を調べてみると、確かに同じ蝶でした!
私が勘違いしたシジミチョウ科の【ベニシジミ】は翅を開いた長さが約3cm前後で、シジミチョウ科の蝶は5cmを超える事はまずないそうです。



確かに常隆寺山で発見した【アカタテハ】は5cm以上ありました。

シジミチョウの名前の由来は、貝のシジミのような小さな蝶という意味だそうです。また、シジミチョウを漢字で書くと「小灰蝶」と書きます。蝶の飛んでいる様が、小さな灰の破片が舞うように見えたようですね。風情を感じます。
一方、【アカタテハ】は英語名を「レッド・アドミラル」といい、直訳すると「赤い海軍大将」という意味になります。そう言われてみると、大将の様な凛とした雰囲気が感じられませんか?

今まで何気なく蝶を見ていましたが、少し調べてみると色々な背景があり、とても勉強になりました。やっぱり生き物は奥が深いですね☆是非皆さんも変わった生き物を見つけたら調べてみてはいかがでしょうか。