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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

どこからきたの?【動物】

2011年04月20日
熊野
こんにちは。
熊野アクティブ・レンジャーの鎌田です。
三重県の七里御浜に巡視に行ってきました。
釣りをされている方も気持ちがよさそうです。




散歩中の地元の方に話をうかがったところ、
昔は今の2倍くらいの面積の砂浜があったそうです。

ここ七里御浜や、熊野川を挟んだ和歌山県王子ヶ浜では、
毎年夏が近づくと、ウミガメが産卵の為に上陸してきます。
ウミガメのふるさとを大事にしていきたいですね。



海岸沿いに歩いていると、こんなものがたくさん流れ着いていました。




干物になってしまっていますが、ハリセンボンです。
太平洋の浜によく打ち上げられています。
フグの仲間ですが、毒はありません。
沖縄では「あばさー」と呼ばれて食用にされ、
「あばさー汁」などに利用されています。



このハリセンボンは、海流に乗ってはるか南方から流れてきたのです。




ハリセンボンは泳ぐ力が弱いため、
海流に逆らって暖かい地域に戻ることができません。
本州の寒い冬を越すことができずに死んでしまい、
子孫を残すことができないそうです。

このような現象は、「死滅回遊」などと呼ばれています。
ちょっとかわいそうですね。



みなさんも海にお出かけの際には、
こんな魚たちのドラマに思いをはせてみるのはいかがでしょうか。