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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

つる伐り【植物】

2011年03月02日
神戸
みなさんこんにちは。先日まで暖かかったので春は近いなぁ、と思っていたのですが、今日の神戸はとても寒いです。春はいつになったらやってくるのでしょうか。

さて、先日は淡路島の生石公園の巡視に行ってきました。
以前、生石公園の砲台について日記に書いた事がありますが(2010年12月2日 砲台好き必見!砲台跡地紹介【その他】 はこちら→http://kinki.env.go.jp/blog/2010/12/02/index.html)、その生石山砲台に向かう途中の道で貴重な植物が伐られている、という通報を受けて現地に向かいました。



現地を確認をしてみると、サカキカズラ・フジ・キヅタ・ノイバラ・テイカカズラ等の多くの種類の植物が伐られていました。
サカキカズラは兵庫県版レッドデータブックでCランクに指定された貴重な植物です。
サカキカズラのようなツル植物が絡み合っている景観は生石公園の特徴の一つで、巨木に巻きついたツル植物が至る所で確認できます。



今回伐られていたのは、道路沿いだけではなく、森の深い場所の植物も伐ってありました。実際に伐った方から話は聞けていませんが、ツル植物に巻きつかれた木を守るために、険しい山の中に入られたのだと思います。

一方、現場を教えて下さった方も、多様な生物を守りたい気持ちで、森の深い場所まで入り、伐られている場所を一つ一つ地図に書きながら確認してくださいました。

国立公園内で木や竹を伐採するためには、事前の許可が必要となる場合があります。ただし、間伐やつる伐り等、より良い森林を整備するために行われるもの等は例外となることもあります。今回のケースについて自然保護官に聞いてみたところ、やはり今の段階では判断材料が十分ではないので、すぐに判断するのは難しいということでした。

今回実際に現場を巡視して、自然を守るという事の難しさを実感しました。自然を守りたい気持ちも、見方によって対立してしまいます。本当に自然の為になる正しい行動とは一体何なのでしょうか。

自分なりの答えが見つかるように、これからも自然の姿や現状などをアクティブ・レンジャー日記で発信していこうと思います。