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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

大台ヶ原のトウヒ【植物】

2011年01月12日
吉野
 何度かこの日記でもご紹介させていただきましたが、昨年の秋に大台ヶ原で「トウヒ」という針葉樹の苗が、上北山村の子ども達を中心に植えられました。
☆くわしい内容は過去の日記http://kinki.env.go.jp/blog/2010/11/1149.html をご覧ください。

 この聞き慣れない「トウヒ」という名前、漢字にすると「唐檜」=中国ヒノキ(?)と書きます。なんだか想像がふくらむ名前ですが、由来ははっきりとわかっていないようです。ヒノキとは言いながらヒノキ科ではなく、マツ科トウヒ属なのでマツの仲間です。



大台ヶ原のトウヒ(中央2本)

 標高が高く寒く厳しい・・・私じゃ無理だな~と思うような環境で育つので、主に日本アルプスなどの中部山岳地帯などで見られるのですが、トウヒ林としてまとまって生育できる、日本で一番南の端が、標高1500メートルを超える大台ヶ原周辺です。



トウヒ(Picea jezoensis var. hondoensis)の主な分布図

 この地域は○○が生息する「南限」や「北限」なのだ!と表現されることがありますが、こうした限界は、その生き物たちの住めるギリギリの環境を示すことにもなるため、生育条件が知れる!という意味でも貴重とされるようです。環境の変化によってはその境界線も移動するので、地球環境の変動を見る上でも重要となるのでしょうか。

 トウヒは、他の種類の木とまじって林を作ることが多いそうですが、大台ヶ原にはトウヒばかりの林(トウヒの純林)があり、日本では珍しいものとされています。



トウヒの親(後)と子ども達(手前)

 植えられた苗は、今は雪にじっと埋もれているのでしょうか?

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★大台ヶ原ドライブウェイ冬期行止め ~春までお待ちください~★
平成22年12月1日(水)午後3時 ~ 平成23年4月21日(木)午後3時まで
大台ヶ原山上駐車場へ続く大台ヶ原ドライブウェイ(大台ヶ原公園川上線)は、上記期間中は冬期閉鎖のため通行止めとなります。
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