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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

崩落しても、伐採されても負けない!【植物】

2010年12月15日
神戸
みなさんこんにちは。12月も半ばを過ぎ、神戸の街は着々とクリスマスモードに切り替わり、商店街からはジングルベルや、きよしこの夜が聞こえてきます♪

さて、先日は淡路島由良地域にある「成ヶ島」に行ってきました。今年7月の大雨で成ヶ島の歩道脇が崩落してしまい、今回はその後の補修作業を行う為の現地確認が目的です。


崩落直後は、斜面に生えていた木が数本まとめて倒れ、周囲の土砂ごと崩落していました。
その約2週間後、とりあえず歩道を通れるようにする為の応急処置として、木を伐り、新たに歩道のスペースを作りました。

そして5カ月後・・・




わかりますか?倒れて伐採された木の周りが青々と茂っています。



なんと、伐られた木の脇から新しい芽が生えてきています!
これは萌芽という現象です。しかし、通常は根がしっかりと張っている状態で幹を伐採し、新たに芽を出させる「萌芽更新」という林業の技術でよく見られますが、今回は既に根も半分以上が露出している、言わば死んでしまったような木です。それがこのような状態になっているとは・・・。すごい生命力ですよね!
萌芽した葉は形状が通常のものと異なり、同定が難しいため、正確な樹種は分からなかったのですが、冬も青々としている常緑樹の一種でした。

「死ぬほどの挫折を味わっても、諦めずに頑張れば良い事あるさ!」というメッセージではないのか・・・と勝手に感銘を受けました。
もし何かに失敗してしまって、やる気を失っている人がいたら、この木のように復活する事が出来ると信じて、一生懸命頑張ってみてはどうでしょうか☆