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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

和佐又山 【利用・施設】

2010年11月05日
吉野
 皆さん、こんにちは。
突然ですが、皆さんは「笙ノ窟」の読み方をご存じでしょうか?



正解は、「しょうのいわや」です。
 今回は、この「笙ノ窟」についてお伝えしたいと思います。
11月2日に、この笙ノ窟へ行ってきました。笙ノ窟は、奈良県川上村と上北山村の境界付近の日本岳の近くにあり、和佐又山や大普賢岳、七曜岳などへも登ることができる和佐又ヒュッテの登山口から行くことができます。登山口から笙ノ窟までの間には、指弾ノ窟(したんのいわや)や朝日窟(あさひのいわや)も見ることができます。この3つのうち、笙ノ窟がもっとも大きい窟で、祠がまつられています。
「窟(いわや)」とは、「天然にできた岩間の洞穴」(広辞苑より)のことで、笙ノ窟は断崖絶壁の下部に大きな口を開けています。

写真:左)笙ノ窟 右)笙ノ窟上部の断崖絶壁(11月2日撮影)

 これらを含む大峯山脈には、行者さんが行(ぎょう)を行う、「靡(なびき)」と呼ばれている場所があります。「靡」は75箇所もあり、それぞれの場所に番号が振ってあり、熊野本宮大社から吉野山を経て吉野川の川岸まで続いています。笙ノ窟はその中の一つで、62番目の靡なのです。笙ノ窟は、自然が創り出した、非常に歴史の深い場所でもあるのです。

 和佐又ヒュッテの登山口から笙ノ窟までの間には、大峯の山々を見ることができる場所もあります。見れば見るほど、大峯の山深さには圧倒されます。

写真:登山道から南西方向を望む(11月2日撮影)

 和佐又山はブナなどの落葉広葉樹が多いため、紅葉も見物です。今年は紅葉の当たり年(?)ということをよく耳にしますが、ピークには少し早いながらも紅葉を見ることができました。

写真:和佐又山の紅葉(11月2日撮影)

 もうすでに山の気温は低いですが、皆さんも防寒、日没時間に気を付け、山一面の紅葉をご覧になってはいかがでしょうか。きっと素晴らしい景色が広がっているはずです。