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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

こうべ森の文化祭2010の下見に行ってきました☆

2010年10月21日
神戸
アクティブレンジャーに着任して、アッ!という間に2週間が経ちました。色々な場所の現地調査に行き、充実した日々を送っております。
さて、先日、11月3日(水)に行われる「こうべ森の文化祭2010 ~森はともだち、森とともに~ 」の自然観察会の下見として再度公園(ふたたびこうえん)に行ってきました。

再度公園は再度山の北側にあり、修法ヶ原池を中心に広がる公園で、国立公園の第一種特別地域に指定されている場所です。第一種特別地域というのは、国立公園の中で、今ある姿を保護しましょう、という地域で、貴重な動物や植物の生息・生育場所にもなっています。

この写真の中に何がいるか分かりますか?枯れ葉に混ざって見つけにくいですが、アカガエルがいます。このアカガエルはおそらくニホンアカガエルだと思われます!しかしヤマアカガエルの可能性もあります。調べてみたところ背中の線によって見分けられるそうなのですが、素人には判別が難しいと書いてありました。(早くアカガエルの玄人にならなくては・・・)
ニホンアカガエルは神戸版レッドデータのCランク(準絶滅危惧相当)となっていて、生息環境の保全が必要とされているカエルなんですよ。

次に、この耕されたような跡は何だかわかりますか?
これは六甲名物のイノシシによる掘り返しの跡なんです。
イノシシは、鼻を使って地面を掘り返し、木の実を始め、植物の根やミミズなどを食べます。再度公園の遊歩道にはこの掘り返しの跡がたくさんあります。

最近、イノシシが人を襲ってしまうという事件を耳にします。
先日は「ごん太」と名付けられた凶暴化してしまったイノシシが駆除されました。では、なぜ「ごん太」は人を襲うようになったのでしょうか。

ある日、「ごん太」がお腹をすかせていると思った人間が、それは可哀そうだ!と思ってパンをあげました。イノシシはとても学習能力が高く、何度も餌をもらっているうちに「ごん太」は、人間から餌を貰えるんだ、と学習しました。しかし、餌をくれる人ばかりではありません。餌をくれない人に怒った「ごん太」は、餌くれよ!と体当たりをしました。すると人間はびっくりしてリュックを落として逃げてしまいました。リュックの中にはお菓子やお弁当が入っていたので、「ごん太」は体当たりをして脅かせば餌が手に入る、という事を学習しました。そうして「ごん太」は体当たりをするようになり、凶暴化してしまいました。

自然界で生きるイノシシには、イノシシの住む世界があります。お腹をすかせて可哀そうと思うかもしれませんが、人間が餌をあげると、その世界を変えてしまい、結果的にはもっと可哀そうな結末になってしまう事もあります。小さなウリ坊や野生動物が出てきても、可愛いからといってペット感覚で餌をあげる事は絶対にしないようにしましょう☆

こうべ森の文化祭の詳細です↓
http://www.city.kobe.lg.jp/information/press/2010/10/20101012300201.html
是非参加してみてください☆