アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]
旅をするチョウPart2 【動物】
2010年09月14日
吉野
皆さん、こんにちは。
最近随分と気温が下がってきました。吉野では、夜になると肌寒いくらいです。今年は気温の変化が激しいですね。猛暑日が続いたと思ったら、夜は肌寒い・・・このような気温の変化が激しい時に体調を崩しやすいので、体にはお気を付け下さい。
さて今回は、「旅をするチョウ」の第二弾(※)として、「イチモンジセセリ」についてお伝えします。
(※)第一弾は何?と思われた方は、2010年8月30日「旅をするチョウ 【動物】」をご参照下さい!
(http://kinki.env.go.jp/blog/2010/08/30/index.html)
この季節、イタドリやヤブガラシなどの花にたくさんの小さく茶色いチョウが群がっているのを皆さんはご存じでしょうか?この小さいチョウが「イチモンジセセリ」です。このチョウは、セセリチョウというグループに分類されています。パッと見た感じでは、「戦闘機のようなチョウ」、「蛾(ガ)のようなチョウ」です。また、このチョウの幼虫は、イネの葉を丸めて巣を作り、葉を食べてしまうため、「イネツトムシ」とも呼ばれ、農業害虫とされています。もちろんイネだけではなく、エノコログサ(ネコジャラシとも呼ばれます)などのイネ科の植物(一般的な雑草)の葉も食べて成長します。「農業害虫」という悪い印象を受けがちですが、「豊年虫」とも呼ばれ、このチョウが大量に発生する年は米が良く実るとも言われているようです。
写真:ニラ(ユリ科)の花で吸蜜するイチモンジセセリ(セセリチョウ科)
写真:左)イチモンジセセリの幼虫の食べ物、エノコログサ(イネ科) 右)イチモンジセセリの成虫がよく吸蜜するヤブガラシの花(ブドウ科)
このイチモンジセセリも前回のアサギマダラと同じように「旅」をします。「旅」と言っても、アサギマダラのように長距離の旅をするのではなく、晩夏から初秋にかけて山頂から麓へ、北の方から南の方へ小規模な旅をするようです。しかも!「何万匹が集まって集団となり、海を渡って旅をしていた」という報告もあるようです。イチモンジセセリが「なぜ旅をするのか」についてなど、詳しいことはまだ分かっていないようです。
アサギマダラほど多様な環境を利用するわけではありませんが、イチモンジセセリは里山を代表するとても身近なチョウです(今、皆さんの家の花壇にも来ているかも・・・)。アサギマダラの様な優雅さはありませんが、私たちのとても身近なところで生活している一見地味なイチモンジセセリからも、「生物多様性の宝庫」と言われる里山について考えることができます。一人でも多くの人に興味を持って里山について考えてもらえたらと思います。
最近随分と気温が下がってきました。吉野では、夜になると肌寒いくらいです。今年は気温の変化が激しいですね。猛暑日が続いたと思ったら、夜は肌寒い・・・このような気温の変化が激しい時に体調を崩しやすいので、体にはお気を付け下さい。
さて今回は、「旅をするチョウ」の第二弾(※)として、「イチモンジセセリ」についてお伝えします。
(※)第一弾は何?と思われた方は、2010年8月30日「旅をするチョウ 【動物】」をご参照下さい!
(http://kinki.env.go.jp/blog/2010/08/30/index.html)
この季節、イタドリやヤブガラシなどの花にたくさんの小さく茶色いチョウが群がっているのを皆さんはご存じでしょうか?この小さいチョウが「イチモンジセセリ」です。このチョウは、セセリチョウというグループに分類されています。パッと見た感じでは、「戦闘機のようなチョウ」、「蛾(ガ)のようなチョウ」です。また、このチョウの幼虫は、イネの葉を丸めて巣を作り、葉を食べてしまうため、「イネツトムシ」とも呼ばれ、農業害虫とされています。もちろんイネだけではなく、エノコログサ(ネコジャラシとも呼ばれます)などのイネ科の植物(一般的な雑草)の葉も食べて成長します。「農業害虫」という悪い印象を受けがちですが、「豊年虫」とも呼ばれ、このチョウが大量に発生する年は米が良く実るとも言われているようです。
写真:ニラ(ユリ科)の花で吸蜜するイチモンジセセリ(セセリチョウ科)
写真:左)イチモンジセセリの幼虫の食べ物、エノコログサ(イネ科) 右)イチモンジセセリの成虫がよく吸蜜するヤブガラシの花(ブドウ科)
このイチモンジセセリも前回のアサギマダラと同じように「旅」をします。「旅」と言っても、アサギマダラのように長距離の旅をするのではなく、晩夏から初秋にかけて山頂から麓へ、北の方から南の方へ小規模な旅をするようです。しかも!「何万匹が集まって集団となり、海を渡って旅をしていた」という報告もあるようです。イチモンジセセリが「なぜ旅をするのか」についてなど、詳しいことはまだ分かっていないようです。
アサギマダラほど多様な環境を利用するわけではありませんが、イチモンジセセリは里山を代表するとても身近なチョウです(今、皆さんの家の花壇にも来ているかも・・・)。アサギマダラの様な優雅さはありませんが、私たちのとても身近なところで生活している一見地味なイチモンジセセリからも、「生物多様性の宝庫」と言われる里山について考えることができます。一人でも多くの人に興味を持って里山について考えてもらえたらと思います。