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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

隣の住人 【動物】

2010年05月18日
吉野
 皆さん、こんにちは。
5月14日の昼休み、青谷ARから「最近あの枯れたサクラの木から鳴き声が聞こえる気がする・・・」と言われたので、確認すべく、カメラと双眼鏡を持ってサクラの木を見に行きました。(見に行くと言っても、事務所の前ですが・・・)
すると!!
あのコゲラのオス(※)が掘っていた穴から何者かが顔を出していました!
(※)2010年3月9日 「春の足音 【動物】」をご参照下さい。

肉眼では「穴の入口で何かが動いている」様にしか見えなかったのですが、双眼鏡で見ていた青谷ARが「いる!いる!」と言ったので、私が持っていたカメラと交換してもらい、双眼鏡を覘いてみました。すると!可愛い顔をしたコゲラのヒナが巣穴の入口から顔を出していました。

写真:巣から顔を出すコゲラのヒナ(以下すべて5月14日撮影)

 さらに、よく確認すると、このヒナの奥でもう1羽動いていました。
「最近コゲラを見ないなぁ・・・」と思っていたのですが、知らぬ間に卵を産み、子育てが始まっていたのです。ヒナの大きさから、卵から孵ってずいぶん時間が経っているようでした。
そんな事を思いながら見ていると、コゲラのメスが飛んできました。
「これは給餌(きゅうじ)が見られるかも!」と青谷ARと話をし、じっとして刺激しないように見守りました。メスは辺りを警戒し、なかなか巣穴に近づきません。

写真:辺りを警戒中のコゲラのメス

じっと待っていた甲斐あって、運良く給餌を見ることができました。

写真:給餌するメス

 皆さんが普段何気なく見ている場所でも、動物の思わぬ営みがあるかもしれません。このコゲラも、「まさかこんな所で繁殖しないだろう・・・」と思っていた矢先の出来事でした。是非、皆さんも家のまわりなど、身近なところに目を向けてみてはいかがでしょうか。