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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

大峯山寺戸開け式 【その他】

2010年05月11日
吉野
 皆さん、こんにちは。
5月3日に山上ヶ岳(さんじょうがたけ)の山頂にある「大峯山寺」の「戸開け式」が行われました。この戸開け式に出席するため、5月2日の夜から山を登りました。夜中の登山ということで少し不安でしたが、ちょうど日が変わる頃に無事、山頂に到着しました。午前2時から鐘が鳴らされ、準備が始まります。その1時間後の午前3時から戸開け式が行われます。

写真:真夜中の妙覚門(5月3日撮影)

大峯山本堂寺務所で式の開始が告げられ、その後、鍵渡しが行われます。これは、大峯山寺の護持院と講と呼ばれる信者の方々、吉野山、洞川の地域の方々によって毎年行われています。鍵渡しのあと、信者の方々が馬にまたがり、大峯山寺の境内をかけ声とともに駆け回ります。このときの大峯山寺の境内は熱気に溢れ、圧倒されてしまうほどです。

写真:戸開け式の様子(5月3日撮影)

 この後本堂の鍵が開けられ、大峯山寺の堂内にて信者の方々の読経のなか本尊に祈りを捧げ、大峯山寺戸開け式は無事、終了しました。
下山を始めた頃には、東の空がうっすらと白みはじめていました。まだ薄暗い中を下山しましたが、前日の真夜中の登山に比べれば「明るい」と感じました。

写真:(左)夜明けを迎える大峯山寺 (右)下山途中(ともに5月3日撮影)

下山して登山口に着いた時には、辺りはすっかり明るくなっていました。
 戸開け式に初めて参加し、実際にこの目で見たことで、修験の厳しさや大峯の歴史の奥深さに改めて気付かされました。大峯山脈の大部分は国立公園に指定されており、豊かな自然が守られている場所ですが、古くからの伝統文化も大切に守り伝えられていることを実感しました。