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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

冬の虫 【動物】

2009年12月15日
吉野
 皆さん、こんにちは。
今週末からまた一段と気温が下がるようですね。そろそろ本格的な冬が訪れるのでしょうか。

 皆さん、「ユキムシ」というものをご存じですか?天気は良いのに、白い雪のようなものがフワフワ飛んでいる・・・そんな経験はありませんか?
実はそのフワフワ飛ぶ白い雪のようなものは、「ユキムシ」と呼ばれている昆虫なのです!!(綿毛を付けた植物の種も飛んでいますが・・・)
「ユキムシ」は体に白いフワフワしたものを付けているため、「ワタムシ」とも呼ばれているようです。

この「ユキムシ」の正体は・・・
農業や花壇の大敵の「アブラムシの仲間」なのです!「ユキムシ」とは、1種類を指すのではなく、数種類の総称のようです。

写真:「ユキムシ」の全貌

写真:飛び立とうとする「ユキムシ」(ともに11月27日撮影)

 寒い冬に漂って何をしているかと言うと、卵を産むために移動をしているのです。農業や花壇の大敵であるアブラムシも寒い冬に向け、我が子が安全に冬を越せる場所を探しているのです。
皆さんも「ユキムシ」を見つけたら観察してみてはいかがでしょうか?よく見ると、フワフワで可愛く(?)見えるかもしれませんよ。

 また、吉野自然保護官事務所のすぐ近くに生えているエノキの幹には、「イラガ」の繭(まゆ)がついていました。「イラガ」は毒を持った蛾(ガ)の仲間なので嫌われ者ですが、幹にうまく溶け込んでいる様は、感心してしまいます。

写真:「イラガ」の繭(脱出後)(12月15日撮影)

 皆さんも天気が良い休日に、冬ならではの生き物観察をしてみてはいかがでしょうか?落葉して寂しくなった木々などに寒い冬を乗り切る生き物たちの息づかいが聞こえてくるかもしれません。