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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

しょっぱい罠【動物】

2009年12月07日
吉野
 タイトルを読んで「?」と思った方もいらっしゃるでしょうか。ところが大台ヶ原には、「甘い罠」でなく「しょっぱい」罠が存在するのです。



木の枝からぶら下がっているのが「しょっぱい」罠です。②は拡大したもの。脱脂綿のようなものに染みこんだ、茶色いものは醤油です。

 この罠は、シカをおびきよせる罠として試験的に作られたものなのです!
※大台ヶ原にはシカを捕獲する罠がいくつかありますが、これについては効果があるかを試している段階です。

 前回の12月4日の朝倉さんの日記などでもお伝えしていますが、大台ヶ原の森林の衰退の原因の1つとして、シカの数の増加が挙げられています。こうした罠は、大台ヶ原のシカを捕獲して、シカの数を調整するために取り付けられているのです。 

しかしなぜ「しょっぱい」必要があるのでしょうか?

 シカにとって山には豊富な食料がありますが塩分が乏しく、足りない塩分を補うためにシカがこの「しょっぱい」匂いに寄ってくるのだそうです。(例えば梅干が入ったお弁当を食べたりしていると、シカが寄ってくるのだとも。)



↑そして「しょっぱい」罠の下には、シカの足を捕まえる罠が仕掛けてあります。

 今回初めてこうした罠を、実際に見せていただく機会に恵まれました。今後も、大台ヶ原で行われている自然再生の取り組みを、少しでも皆様に、具体的に伝えられるようにしたいと思います。

===================お知らせ===================
 大台ヶ原山上の駐車場へと続く、大台ヶ原ドライブウェイ(大台ヶ原公園川上線)は冬期閉鎖中のため、車の通行ができません。
閉鎖期間:今年12月1日(火)午後3時~来年4月22日(木)午後3時まで
(気候の状況などにより日程が変更される場合があります)