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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

お彼岸の花 【植物】

2009年09月15日
吉野
 皆さん、こんにちは。
最近道端や河原、林道沿いで、はっとするほど真っ赤な花が咲き始めています。

 皆さんご存じかと思いますが、「ヒガンバナ」という花です。
お彼岸の時期に花を咲かせることから、「彼岸花」という名称になったと言われています。また、曼珠沙華(まんじゅしゃげ)とも呼ばれているようです。「曼珠沙華」はお彼岸ということで、仏教関係に由来しており、「赤い花」という意味があるようです。

 このヒガンバナは、ヒガンバナ科に属しており、リコリンという毒を持っています。「ヒガンバナには毒がある」という話は有名(?)ですよね。取扱いには十分御注意ください。

 さらには、(毒とは無関係なのですが・・・)ヒガンバナは、種子を実らせません(実らせることができない?)。これは、「ヒガンバナが3倍体である」からだと言われています。3倍体とは、遺伝子の組(通常は2組)が3組あるということです。3倍体の代表として、「種なしスイカ」があります。これも3倍体です。なので、種子がありません(遺伝子の組数が多く、特殊だからです)。

 何だか小難しい話になってしまいましたが、まとめると、ヒガンバナは種子ができないのです。チューリップの様に「球根」で増える植物なのです。ヒガンバナの花を見かけたら、花の「その後」を観察してみてはいかがでしょうか?種子をつくることなくしおれていく様は、どこか不思議に感じてしまいます。