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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

賑やかな季節 【動物】

2009年06月26日
吉野
 皆さん、こんにちは。
吉野(大峯地区)アクティブ・レンジャーの朝倉 和紀です。
 最近一層暑くなりましたね。吉野では梅雨真っ直中だというのに雨があまり降らず、日差しの強い暑い日々が続いています。皆さんのお住まいの地域ではどうですか?

夏は暑いだけでなく、多くの昆虫が活発に活動する時期でもあります。

先日、吉野事務所の周りにある垣根で、アシナガバチの仲間(キボシアシナガバチ)が子育てに励んでいるのを発見しました。アシナガバチなどのハチの仲間には、冬になると女王バチ、雄バチが越冬(えっとう)し、春になると越冬から目覚め、巣をかまえる場所を探しに移動をします。今のところまだ巣も小さく、働きバチも羽化(うか)(※)していないので、女王バチがせっせと働いています。観察していると、とても器用に巣を増築する姿が見られ、暑さの中その働きぶりに感心してしまいます。しかし、巣が大きくなり、働きバチが続々と羽化してしまうと刺される可能性があるので、残念ながら大きくなりすぎないうちに撤去しなければなりません。

(※)ハチの仲間は、卵→幼虫→蛹(さなぎ)→成虫という過程で成長します。「羽化」とは、蛹から成虫になることです。

写真:キボシアシナガバチの巣と、巣を守る女王バチ


写真:女王バチがいない間に巣を下から見ると…(写真上から卵、幼虫、蛹(黄色の蓋がついているもの)が入っています)

この他に、夏を代表する昆虫のひとつ、クワガタムシ(コクワガタ)が事務所を訪れました。このコクワガタは、クモの巣にかかっているところを発見されましたが、間一髪のところで無事、脱出に成功しました。

写真:クモの巣にかかっていたコクワガタのメス(脱出後)

 昨日(6月25日)の夕方にはセミ(ニイニイゼミ)の鳴き声を確認し、今年も賑やかな季節がやってくるなぁ…と実感しています。