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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

大台ヶ原の危険生物【動物】

2009年06月11日
吉野
 最近の大台ヶ原はカエデの緑がまぶしく、爽やかな風と共にどこからかエゾハルゼミの鳴き声が聞こえてくるようになりました。そんな大台ヶ原は平和そのものに見えるかもしれません。
 しかし、事件は起こりました。6月4日に西大台の巡視から帰ると、瀬川自然保護官の手になんと大きなダニが食いついていたのです!!



写真:瀬川自然保護官の手に吸着したマダニ(左)。マダニの拡大映像(右)。
 マダニは野外性のダニの仲間で、基本的に山野で野生動物の血を吸って生活しています。いったん食いつくと自分の体が数倍にもふくれあがるまで血を吸い続けます。マダニは頭の部分を皮膚の中に食い込ませて血を吸うので、無理に引き剥がすと体の一部が皮膚内に残り、傷が悪化する場合もあります。

 マダニが息絶えれば離れるかも?という意見が出たので早速マダニ退治が始まりました。



写真:水の入ったバケツに手をいれ、マダニを窒息させようと悪戦苦闘する瀬川自然保護官。(かなり長い間水に浸しておかないと効果はないようです。)

 国立公園である大台ヶ原では、犬などのペットの持ち込みをご遠慮していただいております。これは持ち込んだ生き物による野生動物への影響や、犬が苦手な他のお客様への配慮といった理由からですが、安易にペットを持ち込むと、大事なペットが森の中でこうしたダニに襲われる可能性もあります。今日も調査で大台ヶ原の森に入った際に、濱名自然保護官のズボンにも付いていました。ダニとの遭遇は決して珍しい事ではないのです!

 マダニは様々な病原体を媒介する可能性もある生き物なので、ペットを危険から守るためにも、国立公園のマナーにご協力ください!