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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

冬の赤い実 【植物】

2009年01月21日
熊野
 皆さん、こんにちは。軒先や道路脇に植栽されているサザンカが寒空の下美しい花を咲かせ、冬の侘びしさにちょっとした鮮やかさを演出してくれています。

 サザンカ以外にもこの寒空の下で赤い実をつけた一際目立つ植物が見受けられます。
 

ツルコウジ ヤブコウジ科
日陰の林床に多くみられます。一つの赤い実をつけるため、「一両」の別名があります。


マンリョウ ヤブコウジ科 
センリョウと異なり、実を葉の下につけます。


フウトウカヅラ コショウ科
ツル性の植物で、木々に巻き付き成長します。

 ご紹介した植物の他にもセンリョウ、トベラ、ヤブコウジ、アオノクマタケラン等、赤い実をつける多くの植物があります。赤い実なのは、鮮やかな色で目立つことによって、鳥をはじめとする動物達に見つかりやすく、食べられやすくし、実の中に入っている種を糞として様々な場所にまいてもらう植物の生き残り戦略のためです。よくメジロがトベラの木にやって来る光景を目にし、餌が不足がちになる冬期は、赤い実は餌として選ばれやすく、採食される可能性が高くなる気もします。
 寒く厳しい環境下でも巧みに生き抜く植物達に感心させられます。