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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

近くて遠い島 【利用・施設】

2008年12月25日
熊野
 皆さん、こんにちは。最近まで冬としては穏やかな日々が続いていたためか、越冬するカモメの到来が芳しくありませんでした。しかし、ここ数日の気温の低下とともに徐々に増加しているようです。

 今日は、先日巡視で確認した2つの島々についてご紹介したいと思います。
 尾鷲市の沖合に近接して浮かぶ佐波留島と桃頭島です。




海上から見た佐波留島(上)と桃頭島(下)。それぞれ県と市の天然記念物に指定されています。

陸域(尾鷲市須賀利)から見た桃頭島。隣接する佐波留島は、樹木に隠れてしまっています。

 両島とも無人島で、スダジイやタブノキ等の照葉樹林に覆われ、独自の生物相が形成されており、国立公園において最も規制の強い特別保護地区にも指定されています。

 佐波留島は周囲を絶壁に囲まれ、容易に外敵を寄せ付けないため、鳥にとって格好の繁殖や生息場所となっており、アオサギやアマツバメ等が営巣し、日本で最大級のアオサギのコロニーが形成されています。最も近い岬から1キロも離れていないのですが、定期船もなく足を踏み入れることが出来ません。
 隔絶された環境下にある、近くて遠いベールに包まれたこれらの島々をいつか訪れてみたい気がします。

 今年最後の熊野からの更新となりました。ご覧下さっている皆様、今年もどうもありがとうございました。明日から寒気が入ってきて、寒くなるようですが、良い年をお迎え下さい。