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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

白いウミガメ 【動物】

2008年09月10日
熊野
一昨日あたりから秋の高気圧が勢力をのばしてきているようで、熊野でも晴れ間の中に心地よい風が吹き抜けています。畦道などには秋の七草の一つであるオミナエシが花を咲かせ、秋の到来を感じる風景がみられます。

吉野熊野国立公園の三重県七里御浜や和歌山県王子ヶ浜の砂浜では、毎年夏期になると環境省のレッドリストに記載されているアカウミガメが、産卵をしにやって来ます。
 先日、王子ヶ浜で産卵されたものを高波等の危険から守るために、有志の方々によって保護され、孵化したウミガメの中に、普通とは異なり色素をもたない白い個体が生まれました。 



上が白っぽい子ガメで、下が通常色の子ガメです。
 
ウミガメの専門家によると、これは遺伝によるものらしいです。白みを帯びた状態では、自然界では天敵に狙われやすく成長することが困難です。ただ、以前に生まれた白い子ガメは、1ヶ月程で普通の色に戻ったそうで、今回も時間の経過と共に通常の色に戻るとみられ、徐々に赤くなりつつあるようです。
現在串本海中公園センターにて、飼育展示されています。非常に珍しいので、お越しの際には是非ご覧下さい。
 
今年は例年に比べて産卵回数がはるかに多く、多くの子ガメが誕生しています。全国的にも同様の傾向がみられるようです。しかし、孵化した子ガメのうち無事親ガメに成長する個体はごく一部であるといわれています。
七里御浜及び王子ヶ浜ではウミガメやその卵を保護するために、産卵孵化の時期にあたる5月から9月にかけて、浜への車両の乗り入れ規制を実施しています。
皆様のご協力をよろしくお願いいたします。