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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

串本海中公園の問題児  【動物】

2007年11月14日
熊野
こんにちは、熊野アクティブ・レンジャーの鈴木です。
今日は串本海中公園の問題児のお話をしたいと思います。

串本海中公園は、美しいテーブル状のサンゴ「クシハダミドリイシ」や枝状のサンゴ「スギノキミドリイシ」などのサンゴが群集をつくり、熱帯性の生き物を観察することのできる美しい景観を織りなしている場所です。その景観は本当に美しく、見るたびにため息が出てしまうほど。しかしサンゴは、ただ美しいというだけでなく、海の生き物たちにとって、天敵から身を守る隠れ家であったり、産卵の場所であったりします。海の中の生物多様性を考える上で、とても重要な環境を作り出しているのです。

写真:串本海中公園の海中景観(2007.9撮影)

しかし、近年、串本海中公園ではサンゴを食害し、多大な影響を与えている動物が増加してきています。
みなさん、これはなんだと思いますか???

写真:手のひらに乗せてみました。(2007.11.14撮影)

正解は「オニヒトデ」。沖縄など各地でも大集団が確認され、一時、大きく報道されていたので、みなさんも見たことや、聞いたことがあるかもしれませんね。全体が強い毒のある針で覆われていて、刺されると痛いだけではなく、大きく腫れることもありとても危険な生き物です。針の先端は、さほど尖っていないように見えますが、油断をすると危険だそうです。

写真:オニヒトデの針 素手では触らないようにしましょう!(2007.11.14撮影)

オニヒトデの駆除は、串本海中公園センターをはじめ、串本町内のダイビングショップ、環境省、和歌山県、串本町等が連携して実施しています。危険な生物なので、ダイビングの技術が必要とされますが、駆除作業を手伝ってくれるボランティアを募っています。ご興味のある方、是非ご協力お願いします!(問い合わせは串本海中公園センター TEL:0735-62-4875 まで)

今日はおまけに、そのオニヒトデが捕食されている写真もご紹介します!

写真:食べられているオニヒトデ(2007.11.14撮影)

この写真は、ホラガイに食べられているオニヒトデです。少しわかりづらいですね。しかし、たくさんの針で覆われているオニヒトデを、ぎゅっと掴んで離さないその姿は、たくましいというか、なんというか、驚きです。私も見習いたいと思います。