近畿地方のアイコン

近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

針広の妙【植物】

2007年10月25日
吉野
こんにちは。先週から、朝夜は寒く暖房器具を押し入れから引っ張り出すほど秋も深まっている吉野です。

一方、大台ヶ原では秋の真只中で、標高の高い東部地域(東大台)で紅葉が見頃になっています。


正木峠からの展望(撮影:2007.10.21)

日出ヶ岳から正木峠を望む(撮影:2007.10.21)
様々な色彩が鮮やかな針広混交林ならではの景色が広がっています。


三つ巴(手前:ゴヨウツツジ、左:オオイタヤメイゲツ、右:トウヒ)
この色形の取り合わせは見事!!

そんな周回歩道を歩いているときに、おもしろい木に出会いました。


ツタウルシの紅葉(撮影:2007.10.20)

一見すると、ふつうの広葉樹かなと思いますが、これ実はウラジロモミ(針葉樹)の立ち枯れした木につる植物であるツタウルシ(広葉樹)が巻き付いて葉を広げているのです。光を効率よく受けようと同心円状の立派な樹形になっており、一緒に歩いていたパークボランティアさん、職員一同とも植物の特性に驚きの声をあげていました。今回、亜高山帯植生の大台ヶ原だからこそ味わえる妙を、改めて感じました。
 これからは、標高が比較的低い西大台のブナ・ウラジロモミ・カエデの針広混交林が見頃になりそうです。

(写真撮影:木谷アクティブレンジャー)