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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

木の実【植物】

2007年10月19日
吉野
こんにちは。先日、自宅に帰ったらムササビが待っていてくれた吉野アクティブレンジャー釜田です。台所の木の引き出しが食い荒らされてボロボロになっていました…。実物を目の前にして、かわいいだけではない野生動物の一面を改めて実感しました。

さて、今日はそんなムササビも餌としているドングリについてです。秋といえば木の実が多くなる時期でもありますが、大台ヶ原でいわゆるドングリをつける木は、里山などの二次林にあるようなクヌギやコナラなどとは違い、ブナ、ミズナラの木です。ミズナラは、今年は全国的に豊作のようで、大台ヶ原もわりと実が付いているようです。このドングリを餌とするクマやネズミ、リス、カケスなどにとっては喜ばしいことでしょう。




ミズナラの堅果(撮影:2007.10.17)

上の写真は、別々のミズナラの下に落ちていたドングリです。ところで、この二つを比べてみるとどうでしょう。
 まず、色の違いがあると思いますが、これは成熟具合の違いのようです。もう一つ形に注目してみると、上の写真のドングリほうがずんぐりとしている感じがします。写真には撮らなかったのですが、並べて比較してみるとその違いが顕著でした。
 なんでこのように同じ種類の木でも、その実の形が違うのでしょうか?
自分は、親の遺伝子の差異が関係しているのではないかと考えたのですが、調べてみるとそれだけでなく、同じ木でも年によってその形に違いがあるそうです。
 そもそも、何でずんぐり型や、やせ形の堅果があるのか疑問に思ったのですが、その要因についてはいろいろと仮説があって、現在その仮説を明らかにする研究が進められているそうです(興味のある方はお調べ下さい)。なんだかちょっとした疑問から、いろいろな不思議と興味が湧いてきました。

クマの人里への出没には、餌であるドングリの豊凶が大きく影響しているそうですが、今年のドングリの豊作でクマの出没ニュースが少ないことを願います。