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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

樹幹クライマー【動物】

2007年06月22日
吉野
みなさん、こんにちは。
昨日の夜、人気のない自宅付近を何気なく歩いていたら、川沿いでホタルを発見しました!自分だけの秘密の場所を見つけたような、嬉しい心持ちの吉野AR釜田です。

さて、今日は巡視での出来事について報告したいと思います。おととい西大台(大台ヶ原西部)を巡視していたところ、かわいい幼虫に出会いました。


体長約2cmのアオムシ。
鮮やかなグリーンが印象的で、あいらしい姿。
(撮影:2007.06.20)

しかしながら、あたりの地面を見回してみると、どこもかしこもこの幼虫がみつかりました。そしてブナの幹をよく見てみると…


幼虫が滝のようになっているところも!!
(撮影:2007.06.20)

幼虫が上へ、上へ移動していたので上を見上げてみると、ブナの葉が集中的に食べられていました。
葉っぱを上から眺めてみると…


この幼虫に食べられたと思われるブナの葉
写真右下、左上に幼虫がいます。わかるでしょうか?
(撮影:2007.06.20)

どうもブナの葉を食べて、食べ尽くしたら地面に落ちて、また木に登って…、を繰り返しているようです。この幼虫はブナハバチという昆虫かもしれません。(ある年に大発生し、ブナの葉に食害を与える昆虫だそうです。只今確認中です)なぜこんなにも大発生したのでしょうか…?

ブナはドングリをつける樹木ですが、葉を根こそぎ食べられてしまうことで(食べられても7月から8月ごろに、再度新しい葉を出すそうですが)、今年の実のなり方が心配になります。そしてドングリを、主な餌としているツキノワグマ、ネズミ類、カケス、種子を食べる昆虫などなどへの影響が気になるところです。
 この幼虫の大発生、自然に対する驚きとその不思議さを肌で感じた一コマでした。今後も注意深く追っていきたいと思っています。