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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

ウミガメのパトロール、初上陸そして2日連続産卵 【動物】【その他】

2007年06月07日
熊野
皆さん、こんにちは。
今日も暑くなりそうな熊野からお伝えします。

今日は先日実施したウミガメパトロールについて報告したいと思います。
ウミガメ類は世界に7種生息(日本には5種生息)し、その全てがレッドリストに登録されています。このうちアカウミガメは、日本沿岸が北太平洋唯一の産卵地となっていて、この貴重な産卵地が吉野熊野国立公園内の三重県七里御浜と和歌山県王子ヶ浜にあります。しかし日本全国でウミガメの産卵数は1990年以降激減しています。
このような経緯の中、ウミガメ産卵地域となっている当地域は10年前から産卵期である5月?9月の期間、車両の乗り入れ規制を行っています。月に1回、環境省と熊野の自然を考える会、新宮市ウミガメを保護する会及び県や市町村の自治体の方々と共に乗り入れ車両の確認のパトロールを実施しています。先日その第2回目が行われ、乗り入れ車両の轍が1件確認されました。

写真:車両の通行があったと思われる轍(撮影:07.06.01)
ウミガメの卵は車両通行時の数百キロといわれる負荷に耐えることが出来ません。

写真:海岸風景(撮影:07.06.01)
直線的な海岸線が続いていて、非常に見通しがよいです。

写真:道の駅「紀宝町ウミガメ公園」に飼育されているアオウミガメ(撮影:07.06.01)

そしてパトロール後の一昨日、アカウミガメの初上陸と初産卵に続き、昨日も産卵が確認されました!
初産卵は昨シーズンに比べて10日ほど遅いのですが、137個の卵が産み付けられていたそうです。卵は台風時に波がかかる可能性があるので、ふ化場へ保護されました。今後の産卵と卵のふ化に期待したいと思います。