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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

通夜島はこんなところです 【利用・施設 その他】

2007年01月22日
熊野
みなさん、こんにちは。
昨日降っていた雨が空気をよくしてくれているのか、今日の空は澄んでいてとてもきれいです。事務所内よりも外のほうが、とても温かいような気がします。

さて今日は、串本町通夜島を紹介します。
串本町は本州最南端の町。台風の季節には、レポーターが台風情報を傘を翻しながら中継していたところ(最近は見られなくなりましたが)、それが最南端の潮岬のある串本町です。

その潮岬の東側に通夜島があります。通夜島は吉野熊野国立公園の第1・3種特別地域に指定されていて、一昨年には、島の一部海域がラムサール条約に指定されました。串本大橋から見ると、ヤシの木が数本出ているのがわかります。それが通夜島の目印です。通夜島は無人島で、以前は熱帯植物の苗畑として利用されていました。今は磯釣り客やダイビング客が島を行き来するだけの島です。


写真:通夜島全景(2006.2.2撮影)


通夜島周辺の海や、磯場には人の行き来がありますが、通夜島の中は…というと、ほとんど行く人はいません。そのため、島の中は開拓された場所が放置され、荒れ放題です。島のまわりには太くしっかりしたウバメガシやスダジイの自然林が残っているのですが、少し歩くと中は熱帯植物とメダケやスギタケが繁茂しています。異様な雰囲気漂う場所です。


写真:日本ではないみたいです。林床にはハランのような植物が繁茂しています。(2007.1.19撮影)


写真:島内には、民家や祠も残っています。(2007.1.撮影)

通夜島は今までに3度上陸し現地調査を行ったことがあるのですが、同ルートのみしか行けていません。他ルートの調査も行いたいのですが、島の中は道も見当つかずの状態で、全島内の調査を行うにはそれなりの準備が必要になると思われます。いつか踏破したいです。

それから通夜島周辺には、希少種オオナガレハナサンゴの群生地があります。この群生地は国内最大級といわれているんです。オオナガレハナサンゴは通夜島の他に、串本の残念ながら、私は実際に海に潜って見たことはありません。


写真:オオナガレハナサンゴ

海の中も陸も未知数な部分が多い通夜島、私の中で注目です。