近畿地方のアイコン

近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

世界人口爆発! 一方、吉野・大峯では…  【人】【植物】【動物】

2006年03月03日
吉野
皆さんこんにちは
吉野(大峯地区)アクティブ・レンジャーの木谷です。

世界の人口がとうとう65億に達したみたいですね。人口と環境問題は深く関わり合っているので、目を反らすことの出来ない深刻な問題の一つだと思います。一方、吉野自然保護官事務所がある奈良県吉野町や大峯地域の人口はどうかと言いますと、年々過疎高齢化が進んでいます。

今回は過疎高齢化によって変わりつつある大峯地域の自然についてお伝えしたいと思います。

昔の大峯地域は猟師が多くいらっしゃいました。しかし今は過疎高齢化が進んで行く中で猟師の数は減ってきています。また大峯地域にはオオカミが住んでいました、しかし、今はもう絶滅してしまいました。この二つの要因が重なったこともあり大峯地域のシカが、近年になって増えているらしいのです。(はっきりとした数字は分かっていません)実際に大峯の林内において、シカが食べるササ類や下草が以前に比べると少なくなってきています。(写真1、2)

決してシカが悪いわけではなく、自然界の絶妙なバランスが一つ壊れてしまったということです。猟を行うという人間行為も自然界のバランスに反映されますが、確実に進む過疎高齢化によって、また一つそのバランスが崩れ初めています。


タイトル:初夏の林内 [Part.1]
写  真:大普賢岳周辺の林内
コメント:背丈の低くなったササ。


タイトル:初夏の林内 [Part.2]
写  真:大普賢岳周辺の林内
コメント:数年前はササをかき分けながらの登山だったとか。ササをかき分けて進んでいると突然、「あっクマさんっ!!」ということがあったほど、あたりはササに覆われていたそうです。