アクティブ・レンジャー近畿地区

大型連休前の安全点検

2024年05月09日
浦富 堀田利明
つい先日桜が咲き春になったなあと思っていたら、新緑が眩しい季節となり大型連休もあっというまに終わってしまいました。皆さんはどのような大型連休を過ごされましたか?
国立公園の利用拠点では、多くの人が訪れる大型連休前に安全に国立公園を楽しんでいただくために設備点検を行っています。今回は浦 富海岸の近畿自然歩道線 (網代(あじろ)港~城原(しらわら)海岸)を中心に歩道や看板、手すりなどの点検 を行いましたのでその様子をお知らせ します。
 
この網代港から城原海岸までのコースは約2Kmで、山陰海岸ジオパークトレイルにも指定されており、山陰海岸国立公園の魅力である、洞門などの地質景観と夏場は透明度が高く美しい海を見ながら歩くことができ、おすすめのコースです。
  
最初に、近畿自然歩道線の起点付近にある、落石防護ネットなどの状況を点検しながら、この自然歩道区間の見どころの一つである千貫松島展望所まで歩きました。
 点検のスタート地点(網代港)    千貫松島展望所付近から
点検のスタート地点(網代港)       千貫松島展望所付近から    
 
次に、鴨ヶ磯から 、鴨ヶ磯展望駐車場まで点検しましたが、大鴨ヶ磯では、島の一つに大量のロープが漂着していました。とても簡単に撤去できるものではありませんでしたが、今後、撤去に向けて関係機関と対応を検討したいと思います。
 大鴨ヶ磯に漂着したロープ   
大鴨ヶ磯に漂着したロープ(島の両側から撮影、ロープは繋がっています)  

その後は、  露軍将校遺体漂着記念碑の付近の橋梁を点検しました。今年2月に再整備を行ったもので、地元のガイドクラブの方からも歩きやすくなり、観光客からの評判もよい、との声もいただいています。
 
さらに遊歩道を進んでいくと木製の階段の踏み板がぐらついていたため、管理者に連絡したところ、大型連休前に仮復旧していただきました。早い対応に感謝です。
 新しく整備された橋梁付近   階段のステップが老朽化
新しく整備された橋梁付近   階段のステップが老朽化?

その後は、看板、標識類の点検をしながら竹野自然保護官事務所まで移動しましたが、香美町にある  大引の鼻展望台付近の山林で鹿の食害の酷さを目の当たりにすることとなりました。下層の植生がすっかり食い荒らされ立木も枯れている様に驚きました。植生が無くなり裸地となった斜面では、一部土砂の崩落も見受けられ今後益々崩落が進むのではと危惧されます。
みなさまのお住まいの地域でも、このような鹿の被害による影響はありますでしょうか。
大引き鼻付近   
すっかり裸地となった大引の鼻付近の山林の様子(左)と2020年頃の様子(右)