アクティブ・レンジャー近畿地区

夏が来た!さあ、よしくま(吉野熊野国立公園)に出かけよう

2023年07月19日
熊野 湊 英也

こんにちは、吉野熊野国立公園管理事務所の湊です。

梅雨の合間に晴れると、強烈な暑さに見舞われます。雨が降るとむしっとするし、晴れたら晴れたで刺すような暑さに、事務所内では、もう毎日、暑い!暑い!があいさつ(合い言葉?)になっています。クマゼミが「ワシャワシャ、ワシャワシャ」と鳴きだして、そろそろ梅雨も明けそうです。
 
 夏といえば海ですね!よしくまの公園区域内には、海水浴場が13カ所あり、そのほとんどが水質最高ランクのAAと、非常にきれいな海で泳ぐことが出来ます。
また、和歌山県のみなべ町から三重県の大紀町まで続く、よしくまの海は黒潮に近く、イシサンゴ類や熱帯魚などが生息し、その特異な自然環境から風致景観維持の重要度が高い海域公園地区が多く、全国の国立公園の中でも2番目に広い面積(1番は西表石垣国立公園)が指定されているのも特長です。
さらに奥深く、よしくまの海を体験したい方は、スノーケリングがおすすめです。サンゴや熱帯魚を気軽に見ることが出来ます。ただし、初心者の方は危険をともなう場合もありますので、串本海中公園の串本ダイビングパークなど、スノーケリングが体験できる施設を利用することをおすすめします。

  【スノーケリングでサンゴが見られるところもあります】
海に入るのはちょっとという方は、磯遊びがおすすめです。いろんな種類のカニや魚、貝など観察することが出来ます。
捕まえたものは観察が終わったら、弱ってしまう前に海に放してあげましょう。

      【磯遊びが楽しめる夏山(なっさ)海岸】

   【きっと見たことのない生き物にも出会えるはず!】
この時期、日差しが強いので、こまめに水分補給を行い、できるだけ肌の露出をさけ、帽子をかぶるなど熱中症対策を心がけてください。毒のある生き物もいるので、ケガ予防も含め、マリングローブを着用することをおすすめします。また、高波で荒れているときなど危険なときは磯遊びはやめましょう。
 
川の河口部などにある干潟では、チゴガニのダンスが見頃を迎えています。
白いハサミを振り下ろす仕草は、まるでダンスを踊っているように見えます。求愛や威嚇のための動作とも言われていますがはっきりとしたことはわかっていません。

   【干潟では、チゴガニがダンスをしています】

  【運が良ければ、ハクセンシオマネキにも出会えるかも】

生き物以外にも、この時期の海岸部では、ひときわ目を引くオレンジの花々が開花し、楽しませてくれます。自然が作り出す色合いは、きっとあなたの心に思い出を刻むことでしょう。
この夏はぜひ、「よしくまの夏」を体感してください!

【オレンジの色濃いヒメヒオウギズイセン】

【ハマカンゾウの花と開花前のオニユリとのコラボ】

【オニユリは至る所で見られます】