アクティブ・レンジャー近畿地区

山陰海岸ジオパーク保護保全モニタリングに同行しました

2022年09月02日
浦富 堀田利明
 みなさん、こんにちは。浦富自然保護官事務所の堀田です。
先日、山陰海岸世界ジオパークの保護保全モニタリングに同行しましたのでその様子などを紹介します。このモニタリングは、ジオパーク内の58エリア208カ所のジオのみどころの保全状況や施設の状態などを、5年に1回のローテーションで点検するものです。
今回は、兵庫県新温泉町の但馬御火浦(たじまみほのうら)と浜坂西海岸の2エリアで実施しました。
出発前のミーティング さあ、乗船
出発前のミーティング                さあ、出発


 午前は、名勝天然記念物にも指定されている但馬御火浦をモニタリングしました。三尾大島や獅子の口、旭洞門などたくさんのみどころがありますが、そのほとんどは陸上からは見ることができないため、御火浦海上タクシーのガイドさんの案内で海上からモニタリングしました。みどころのひとつである海食洞門は、海上タクシーやシーカヤックなどで中に入ったり通り抜けたりすることができますが、岩崖の上部からの落石により利用禁止としているものがあります。その現在の状態と、山陰海岸ジオパークのホームページ等での注意喚起の状況について確認しました。下船後、田井ノ浜に移動し、新温泉町ジオパーク館の谷本館長から、新温泉町の小学生などに対して行われているフィールドジオ学習の様子について説明いただきました。
岩石の残留磁場と磁北のずれの実験
岩石の残留磁場と磁北のずれの実験


 午後は、浜坂西海岸エリアの浜坂西地区の穴見海岸をモニタリングしました。令和2年に展望駐車場がリニューアルされており、モニタリング中にも多くの観光客が立ち寄られその景観に感動されている様子でした。そのうちの家族ずれにシャッター押しを頼まれたのですが、奇遇にも高校の同級生のご家族でお互いびっくりしました。
しかし、礫浜に降りてみるとバーベキュー跡の不始末もあり、一部の利用者のマナー問題も課題であると感じた次第です。
獅子の口 島全体が柱状節理の三尾大島
獅子の口                      島全体が柱状節理の三尾大島



奥の方に光が射す洞門 岩壁に走る黒い岩脈
奥の方に光が射す洞門                岩壁に走る黒い岩脈



釣鐘洞門 鋸岬と旭洞門東口
釣鐘洞門                      鋸岬と旭洞門東口



穴見海岸と白島 初めて見るタコクラゲ
穴見海岸と白島                   初めて見るタコクラゲ



 山陰海岸国立公園は、陸からだけではなく、海上から見る景観が素晴らしいエリアも多くあります。また、見るだけでもすばらしいですが、ガイドの解説を聞きながら見れば、よりいっそうの驚きと感動を得ることができます。是非、海上タクシーなどで明快なガイドを聞きながら間近に見てその素晴らしさを堪能していただきたいものです。