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近畿地方の国内希少野生動植物種

近畿地方の国内希少野生動植物種

近畿地方には、オオワシ、クマタカ、ハヤブサ、ヤイロチョウ、コウノトリ、アベサンショウウオイタセンパラアユモドキゴイシツバメシジミ、ベッコウトンボ、ナチマイマイ等の国内希少野生動植物種が生息しています。

これらの国内希少野生動植物種の保護への取組みについて、一部をご紹介します。

イタセンパラ(Acheilognathus logipinnis)コイ目 コイ科

分布

濃尾平野、富山平野、淀川水系のみ(日本固有種)

生態の特徴

イタセンパラは「わんど」と呼ばれる池のようなところを好んで生活しています。わんどとは、川の増水によって本流のそばにできる流れの緩やかなところです。
9月~11月の産卵期になると、オスの体は美しく色づきます。産卵の時にはメスのおなかから産卵管という細い管がのびてきます。それをイシガイやドブガイなどの貝の中にさしこんで卵を産みつけます。卵は4日程でかえりますが、イタセンパラの赤ちゃんはそのまま貝の中で守られながら、翌年の5月頃まで過ごします。貝から泳ぎ出た子どもたちは、えさの多い浅い水辺で育ちます。

減少した理由

  • わんどの埋立や河川改修、堰の操作による生息地の減少
  • 外来魚のオオクチバスやブルーギルによる捕食、ボタンウキクサなどの外来植物の繁茂やゴミの投棄などによる生息環境の悪化
  • 密漁
    など

保護の取組

平成8年にイタセンパラ保護増殖事業計画.pdfが策定(平成27年変更)され、この計画に基づき、国、地方公共団体、研究者、地元の保護団体などが協力して、イタセンパラの保護に取り組んでいます。

関係各機関が行っている主な保護活動
  • わんどの管理、新設
  • 生息状況、生息環境の調査
  • 外来種対策(ボタンウキクサ等の除去、外来魚、外来植物の調査研究)
  • 人工増殖の試み
  • 密漁防止パトロール、密漁防止を呼びかける看板設置、リーフレット.pdfの配布
  • 生息環境改善(わんどの干しあげ、樹木の伐採等)
  • 各種普及啓発活動
関係機関による協議会
城北わんどイタセンパラ協議会
目的)
城北ワンドにおけるイタセンパラの保護に関する機関相互の緊密な連絡と調整を図り、もってイタセンパラ保護対策の円滑な推進に資する。
構成員)
国土交通省近畿地方整備局淀川河川事務所、大阪府環境農林水産部水産課、大阪府環境農林水産部みどり推進室みどり企画課、大阪府教育庁文化財保護課、大阪府立環境農林水産総合研究所生物多様性センター、大阪府警察本部生活安全部生活環境課、大阪市教育委員会総務部文化財保護課、大阪市旭区役所企画総務課まち魅力担当、大阪市立自然史博物館、環境省近畿地方環境事務所

アユモドキ(Parabotia curtus)コイ目 アユモドキ科

分布

琵琶湖淀川水系と岡山県の吉井川、高梁川、旭川水系に分布。淀川水系では、現在京都府亀岡市と南丹市の一部の河川でしか見られなくなりました。

生態の特徴

アユモドキは、石垣や石場のあるところを好んで生活しています。日差しの強い日中は石垣の間などにひそみ、朝や夕方に活動します。
産卵は、6月初旬、川の水が増えた時に一時的に水没する川岸・草地・田んぼなどで行います。京都府内の産卵場所では、農業用堰の水位調節によって、産卵場所ができます。卵からかえった仔魚は、6月下旬には全長24mm程度の稚魚に、7~8月には全長40~50mm程度の若魚になり、すむ場所を川の上流や農業用水路に広げます。10月下旬には、ほとんどの個体が川の本流に下るようですが、詳細はわかっていません。
子どもの時にはプランクトンを、大きくなるとユスリカ、トビケラなどの幼虫やイトミミズなどを食べます。体の縞は、幼魚の頃はくっきりとしていますが、成長するにつれ色が薄くなります。

減少した理由

  • 農業手法の変化、河川改修による生息環境・産卵場所の減少
  • 外来魚による捕食
  • 密漁
    など

保護の取組

平成16年にアユモドキ保護増殖事業計画.pdfが策定(平成27年変更)され、この計画に基づき、国、地方公共団体、研究者、地元の保護団体などが協力して、アユモドキの保護に取り組んでいます。

関係各機関が行っている主な保護活動
  • 生息状況、生息環境調査
  • 清掃活動
  • 産卵場所維持のための農業用堰の調節
  • 密漁防止パトロール、リーフレット等の配布
  • 河川工事等に関する協議
  • 人工増殖の試み
  • 各種普及啓発活動
連絡協議のための関係機関による協議会等
淀川水系アユモドキ連絡協議会
目的)
淀川水系におけるアユモドキの保護に関する機関相互の緊密な連絡と調整を図り、もってアユモドキ保護対策の円滑な推進に資する。
構成員)
国土交通省近畿地方整備局淀川河川事務所、農林水産省近畿農政局農村計画部、農林水産省近畿農政局整備部、京都府土木建築部、京都府農林水産部、京都府企画環境部、京都府文化財保護課、京都府警察本部生活安全部、大阪府環境農林水産部、大阪府立環境農林水産総合研究所生物多様性センター、亀岡市環境市民部、亀岡市教育委員会、南丹市教育委員会、南丹市八木支所地域総務課、環境省近畿地方環境事務所

アベサンショウウオ(Hynobius abei)サンショウウオ目 サンショウウオ科

分布

分布域は京都府丹後地方、兵庫県但馬地方、福井県嶺北地方、石川県加賀地方のごく一部に限られています。

生態の特徴

アベサンショウウオはしめった林床をもつ樹林を好み、林内・林縁にある水たまりや水路で産卵します。
毎年12月中旬から下旬になると、成体は水たまりや水路におりてきて、産卵を行います。産卵場所としては、湧水があり、泥底で落葉、枯木などが堆積する場所を好むようです。卵は2月中旬に孵化します。幼生は6月末から7月初めにかけて変態し、上陸します。変態後は樹林や竹林内の林床で落ち葉や石の陰などにひそんで生活します。

減少した理由

  • もともと分布域が限られ、生息数が少ない
  • 道路、宅地、農地開発による生息場所の減少
  • 違法捕獲
    など

保護の取組

平成8年にアベサンショウウオ保護増殖事業計画.pdfが策定(平成27年変更)され、この計画に基づき、国、地方公共団体、研究者、地元の保護団体などが協力して、アベサンショウウオの保護に取り組んでいます。

生息地等保護区

兵庫県豊岡市及び京都府京丹後市の生息地について、特に生息環境の保全を図る必要があることから、生息地保護区を指定し、工作物の設置や木竹の伐採等を規制し、生息地を保護しています。
生息地保護区には、監視地区と管理地区があります。監視地区では、建築物等の新築・増築・改築、宅地造成等の土地の形状変更、鉱物の採掘、土石の採取などを行う時は届出が必要となりますが、管理地区ではこれらを行う時に加え、木竹の伐採を行う時に許可が必要となります。

<大岡アベサンショウウオ生息地保護区>
指定:平成10年11月4日
面積:7.8ha(全域管理地区)
所在地:兵庫県豊岡市
<善王寺長岡アベサンショウウオ生息地保護区>
指定:平成18年7月3日
面積:13.1ha(管理地区3.9ha)
所在地:京都府京丹後市
保護の取組
  • 生息状況、生息環境調査
  • 違法捕獲防止パトロール
  • 生息環境改善事業(溝の掻き出し、森林・竹林管理)
連絡調整のための関係機関による協議会等
アベサンショウウオ保護増殖等関係機関連絡協議会
目的)
大岡アベサンショウウオ生息地保護区及びその周辺における保護増殖事業並びに同種の生息等に影響を及ぼすおそれのある行為に関し、関係機関が情報を共有し、適切な調整を図ることにより、同種及び同種の生息地保全に資する。
構成員)
兵庫県農政環境部環境創造局自然環境課、兵庫県但馬県民局地域政策室環境課、豊岡市地域コミュニティ振興部文化振興課文化財室、豊岡市コウノトリ共生部コウノトリ共生課、環境省近畿地方環境事務所竹野自然保護事務所
アベサンショウウオ保護増殖等検討会
目的)
保護増殖を図ることを目的として大岡アベサンショウウオ生息地保護区における生息地保護管理業務についての助言、検討を行う。
  • 希少種の保護の観点より、検討会は非公開で行っています。

ゴイシツバメシジミ(Shijimia moorei)チョウ目 シジミチョウ科 

分布

熊本県、宮崎県、奈良県の山間部の一部

生態の特徴

ゴイシツバメシジミの幼虫は、イワタバコ科のシシンランのみを食草とし、シシンランの生息する照葉樹林に生息しています。
7月~8月頃、メスはシシンランのつぼみに産卵し、卵からかえった幼虫はシシンランのつぼみ、花、実を食べて育ちます。7月の初旬に産卵された卵からかえった幼虫は、8月に成虫になるものもありますが、ふつうは終齢幼虫の状態でシシンランなどの着生植物の葉の裏で冬を越し、老熟した終齢幼虫は翌夏さなぎになり続いて成虫になります。

減少した理由

  • もともと分布域が限られ、生息数が少ない
  • 違法捕獲

保護の取組

平成9年にゴイシツバメシジミ保護増殖事業計画.pdfが策定され、この計画に基づき、ゴイシツバメシジミの保護に取り組んでいます。

  • 生息状況・生息環境調査
  • 組織培養によるシシンランの増殖