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近畿地方環境事務所

地域金融機関の経営トップ等への脱炭素関連インタビュー

株式会社 池田泉州ホールディングス 代表取締役社長兼CEO 鵜川 淳

 
 徹底したソリューションビジネスを標榜し、地域の課題解決を通じて持続可能な地域社会の実現に貢献すべく、様々な取組を進められている、株式会社 池田泉州ホールディングス 鵜川 淳 代表取締役社長兼CEOに、脱炭素に関する取組方針や支援策等について伺いました。

サステナビリティ宣言で環境問題への対応を重点課題に選定

ー脱炭素の取組を行うことになったきっかけや取組方針についてお聞かせください。

 カーボンニュートラルに関する国際動向や政府宣言等、外部環境に大きな変化があるなか、当社は2020年に、2025年大阪関西の飛躍の年に向けて、グループのありたい姿として「Vision’25」を策定しました。
 当社の経営理念に基づき作成した「Vision’25」では、徹底したソリューションで地域の皆様のお役に立ち、職員一人一人が自らのポテンシャルを引き上げていくことで、誰もが安心して輝ける未来社会作りに貢献していくことをコンセプトとしています。
 「Vision’25」の策定に向けた作業部会で具体化したのが「サステナビリティ宣言」であり、環境を含む3つの重点課題に主体的に取り組むことを定めました。
 2022年に設置した「サステナビリティ委員会」では私が委員長を務め、気候変動・環境問題を含むサステナビリティに関する事項について議論しています。

徹底したソリューションビジネスで、新しいマーケットを創る

ー現在注力している、取引先や地域に対する脱炭素支援策についてお聞かせください。

 4年ほど前、当社は、徹底したソリューションビジネスを実践するために、営業における業績表彰制度を廃止する等、営業スタイルの変革に取り組みました。ソリューションビジネスに必要なのは、自社商品の売り込みを中心とした営業スタイルではなく、お客様のニーズをしっかりお聞きし、その解決策をご提案することです。また、お客様の潜在的なニーズをしっかりと見極めて、お客様起点で新しいマーケットを作るというチャレンジを促しています。
 2022年からは、SDGsの様々な課題を皆様と共に考え、分かり易くお伝えする場として「池田泉州銀行SDGsフォーラム」を開催しています。今まで5回開催し、各分野の専門家の方や取引先の社長をお招きする他、私自身も毎回登壇しています。私自らが発信することで、職員や地域の皆様に対して、SDGsについて「関心を持つきっかけ」を作るとともに、取組の重要性を認識していただければと願っています。
 脱炭素支援としては、グループの池田泉州リースが特徴を活かした取組を進めています。リースの仕組みを活用することで、太陽光発電設備や省エネ設備等の導入ハードルを下げ、お客様の環境対応を始め易くしています。今般、池田泉州リースは中小企業の環境問題への取組促進が評価され、環境省が主催する「ESGファイナンス・アワード・ジャパン」(間接金融部門)で特別賞を頂きました。
 このような取組を評価していただく一方で、脱炭素への取組を主体的に受け止めている職員はまだまだ少ないというのが正直なところです。お客様に「脱炭素対応の重要性」を伝える取組はもちろんのこと、個別の課題に対しても多くのご支援ができるよう、職員一人一人が自らのポテンシャルを引き上げていく必要があると考えています。

経営陣には「伝える責任」、若い職員には「受け止める責任」がある

ー職員の皆様に対して、期待を込めたメッセージをお願いします。

 SDGs目標12に「つくる責任 つかう責任」というものがありますが、これと同様に、脱炭素の取組においては、経営陣には「伝える責任」が、若い職員には「受け止める責任」があると考えています。
 若い職員にとっての2050年は、私とは違い、自分達の世代が中心になって地球環境を守るという自分事の未来です。我々経営陣には、SDGsについての現状と取り組むべき道筋の大切さを伝える責任があり、若い職員はそれをしっかり受け止めて、主体的な取組を引き継いでいくことが大切です。
 カーボンニュートラルというテーマを受け止める責任は重たいものかもしれませんが、他人事にできない大切な問題として捉え、現状と課題を認識し、その課題に対する考え方や価値観の軸を持ち、そして行動する、この3段階を意識した取組を繋いでいって欲しいと思います。

ご紹介いただいた先

【本ページに関するお問い合わせ先】
 近畿地方環境事務所 地域脱炭素創生室
 住所:〒530-0042 大阪市北区天満橋1丁目8番75号桜ノ宮合同庁舎4階
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