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近畿地方環境事務所

地域金融機関の経営トップ等への脱炭素関連インタビュー

大阪府 阪南市

 
 2022年5月に「SDGs未来都市(内閣府)」に選定されるとともに、特に先導的な取組である「自治体SDGsモデル事業」にも選定された大阪府 阪南市。海浜空間など地域資源を活かした脱炭素の取組を通じて様々なCo-ベネフィットの創出、持続可能で好循環な地域作りの実現を目指しています。今回、株式会社 池田泉州銀行との連携の取組や、地域金融機関に期待していることなどについて同市未来創生部長に伺いました。

地域金融機関の視点を交えることで環境・経済・社会の側面を持つ持続可能な取組に

ー池田泉州銀行と連携した取組についてお聞かせください。

 当市では、阪南市SDGs未来都市計画を策定しており、その計画を推進するための「はんなん・Co-ベネフィット創出協議会」(以下「協議会」)を立ち上げています。そこでは、環境に特化した取組を拡げ、それが社会や経済側面の新たな価値の創出に結びついていくというところを目指しています。
 池田泉州銀行には協議会の会員となっていただき、特にSDGsの取組が、持続可能なものとなるような観点から意見を頂いています。ただ、たとえ良い取組であっても持続するためには、どうしても経済の観点が必要不可欠になります。その意味で、取組の中で活用できる融資制度や支援プログラムの提案や事業自体の収益性のアドバイスなどを期待しています。
 具体的な連携の事例では、コロナ禍に伴う地域住民の移動ニーズの変化に柔軟に対応するため、デマンドタクシー(チョイソコ阪南)の実証を行いました。自治体は地域課題の所在は把握しているのですが、いざ行政サービスを展開する際に必要となる経営的側面や地域で協力いただける事業者や市民との繋がり、地域ニーズの把握という部分では、地域金融機関に強みがありますので、引き続き連携していきたいと考えています。

地域金融機関と同じ方向を向いて、地域の事業者と資金が繋がるまちづくりを

ー地域金融機関に期待していることは何ですか。

 当市としては、特に環境を1つの切り口として地域の活性化に繋げていきたいと思っていますが、そのためには多様な分野の方と連携することが大事になってきます。
 そのなかでも近年は、行政としてまちづくりを進めるうえでも、どこに投資をするか、事業として継続的なものとできるかという点について、地域金融機関からのアドバイスの重要性が増していると思います。また、脱炭素に関しては、当市で取り組んでいるブルーカーボンクレジットの販売を今後進めていきたいと考えており、地域金融機関に地元企業と繋いでいただくことも期待しています。ただ、ブルーカーボンの認知度も低いので、まずは情報発信面など、取組段階に応じたご協力をお願いしたいと考えています。
 当市が元気になることは、地域金融機関のベネフィットにも繋がっていくことから、地域金融機関と目指す方向性は同じだと思います。地域金融機関には、これまでも地方創生や商工関係など地域における活動に参画いただいており、当市にとっては公的な機関に近い存在になっていると認識していますし、これからも地域の企業と資金が繋がっていける仕組みを一緒に創ることができればと願っています。

すぐに結果を求めなくて良いので、できるできないに関わらず対話ができる関係性構築を

ー地域金融機関と連携を進めたい自治体へのアドバイスをお願いします。

 もちろんいきなり具体的な連携ができたら良いのですが、まずはそこに行き着くまでの関係性を創るということが大事ではないでしょうか。協議会などの公式の会議の場では他の機関もいますので、あまり個別に話はできないものです。ですので、他愛も無い会話でも、まず日常から会話ができる関係性の構築を意識しています。お互いに何を求めているのか、また、何ができて何ができないのか、そういう話をするところから双方の理解が進んでいくと思います。
 話をするからには必ず成果を持って帰らないといけないと気負わなくても大丈夫です。当市と池田泉州銀行だって、できていない部分も実はたくさんあります。でも、お互いに言いたいことを言い合ったところで関係性が切れるというわけでも無いので、怖がらずに話し合っていくことが大事だと思います。
【本ページに関するお問い合わせ先】
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