平成27年度マリンワーカー事業(吉野熊野国立公園田辺及び白浜沿岸オニヒトデ等調査駆除業務)の実施について
平成27年度マリンワーカー事業(吉野熊野国立公園田辺及び白浜沿岸オニヒトデ等調査駆除業務)の実施について
環境省では、昨年9月24日、吉野熊野国立公園を串本町からみなべ町にかけて大きく拡張し、また、既存の国立公園の区域を含む、新宮市からみなべ町にかけての海岸地域では、世界最北のテーブルサンゴ群集が生息する浅い海を中心に、新たに海域公園地区を指定いたしました。
この国立公園化に伴い、新しく指定された田辺白浜海域公園地区には、天神崎周辺の東アジア海域固有種で種の存続が危惧される希少なエダミドリイシや、沖島周辺のクシハダミドリイシをはじめとする大型のテーブルサンゴ群集、四双島周辺の日本固有種のニホンミドリイシなど理想的なサンゴ群集がみられ、熱帯性魚類も豊富で、傑出した海中景観を形成しており、世界最北のテーブルサンゴ群集が成立しています。これらのテーブルサンゴ群集は、公園利用者がダイビングやスノーケルを楽しむレクリエーションの場としてだけでなく、海洋の浄化能力に優れ、海洋生物の産卵や育成に欠かせない生息域(ナーサリーエリア)として、海洋の生態系や多様性、漁業生産性の根幹を支える重要な機能も担っています。
しかし、当海域では、これまでサンゴ食巻貝であるシロレイシガイダマシ類およびオニヒトデによるサンゴ食害の被害が確認されており、地元ダイビングショップ等が中心となってボランティアで調査および駆除作業を展開してきたものの、生息拡大の抑制にはいたっておらず、継続的なモニタリング及び駆除作業が必要となっています。
環境省としても、田辺白浜海域公園地区のテーブルサンゴ群集の保全を目的として、オニヒトデ等のサンゴ食害生物の生息調査を実施いたしますので、お知らせいたします。なお、本事業は、国立公園の適正海域管理推進事業(通称「マリンワーカー事業」)として実施するものです。
1.事業の名称
平成27年度マリンワーカー事業(吉野熊野国立公園田辺及び白浜沿岸オニヒトデ等調査駆除業務)
2.事業の目的
対象海域のサンゴ礁生態系を保全し、海域の景観及び生物多様性を確保することを目的に、サンゴを代表する水底の構成物の状況、オニヒトデ等サンゴ類捕食動物の生息状況およびサンゴの食害状況を把握し、今後の調査・駆除作業を検討する。
3.調査位置および日時
①和歌山県田辺市沖島周辺浅海域
平成28年3月10日(木)9:00~15:00頃
集合場所:ダイビングサービス サンマリン
(〒645-0004 和歌山県日高郡みなべ町埴田1421-20)
②和歌山県西牟婁郡白浜町四双島周辺浅海域
平成28年3月15日(火)9:00~15:00頃
平成28年3月16日(水)9:00~15:00頃
集合場所:ダイビングサービス シーマンズビーチ
(〒649-2200和歌山県西牟婁郡白浜町291-1)
4.今後の事業の進め方
今年度の田辺白浜海域公園地区におけるオニヒトデ等サンゴ食害動物の生息調査の結果、必要性が高いと判断された場合、今後さらなる調査および駆除の実施を検討していく予定です。今年度の事業結果については、取りまとめ後、公表を予定しております。
事業の実施にあたっては、漁業者、ダイビング事業者及び関係行政機関等との連携により進めてまいります。
5.添付資料
環境省 近畿地方環境事務所
田辺自然保護官事務所(担当:岩野)
TEL:0739-23-3955
FAX:0739-23-3966